高考の停止(1966年)

 高考の停止は、文革中の大きな事件である。これにより中国全土の大学に新たな学生が入学してこなくなり、高等教育が麻痺状態に陥り、それが10年間にわたって続いた。

 文化大革命開始後の1966年7月、中国共産党中央委員会と国務院は、「全国普通高等学校招生入学考試(通称高考)」の停止を通知した。このため、1966年から1969年までの4年間、中国本土の全ての高等教育機関は学生の入学を完全に停止し、高等教育は麻痺状態になった。

 その後、毛沢東が「大学は運営を継続すべきである」とし、「実務経験のある労働者および農民から新規の学生を選び、学校で数年学んだ後に生産業務に戻るべきである」と述べたことにより、各大学は1971年に新入生の登録を再開することとし、高等学校を卒業して2年以上働いた労働者、農民、兵士を募集することとした。
 1970年から1976年にかけて、全国の295の大学で合計94万人の労働者、農民、兵士を募集したが、新入生の選定は共産党や文革の革命委員会などの推薦を主体としたため、学生の質に大きなばらつきが出て十分な教育効果を達成できなかった。

 高考の復活は、文革終了後の鄧小平の決断まで待たねばならなかった。

参考資料

・百度HP 『无产阶级文化大革命