初稿 2023年9月
修正 2024年9月
ノーベル賞受賞候補を選定するにあたり、着目したのは著名な国際賞32賞である。
著名な国際賞は、関連する国際学会などでのピアレビューを元に受賞者が選定されており、国際賞の受賞が後のノーベル賞受賞につながる場合も多い。例えば、生理学・医学分野のラスカー賞やガードナー国際賞などは、ノーベル生理学・医学賞の先行指標とも言われている。
ここでは、数学や建築などの国際賞は考慮しないこととした。例えば、数学のフィールズ賞など、建築のプリツカー賞などである。また、著名な国際賞の中で数学分野を受賞対象にしている賞(ウルフ賞、ディラック賞、ショウ賞など)では、数学での受賞を外した。ただし、数学の中でも計算機科学の国際賞であるチューリング賞は取り上げた。
一方、従来はノーベル賞受賞に結びつかないと思われていた工学分野や地学分野などで、近年物理学や化学での関連性を元に受賞している例もあることから、あえて除外しなかった。
2023年9月に初稿を作成した際の対象国際賞は29賞であったが、その後2024年9月に見直した際にローゼンスティール賞、マスリー賞、ワイリー賞の3賞を追加し、全体で32賞とした。
賞名 | 分野 | 主催団体のある国 | 授与開始年 |
ウルフ賞 | 化学、医学、物理(数学を除く) | イスラエル | 1978年 |
ベンジャミン・フランクリン・メダル | 物理、化学、ライフサイエンス、コンピューターと認知科学、地球環境科学、電気工学、機械工学 | 米国 | 1998年 (1997年まではフランクリンメダルであった。) |
バルザン賞 | 物理、医学生物学、環境、天文学(数学を除く) | イタリアとスイス | 1961年 (1978年から毎年表彰している。) |
キッピング賞 | 化学 | 米国 | 1960年 |
ロベルト・コッホ賞 | 微生物学・免疫学 | ドイツ | 1960年 |
ラスカー賞 | 基礎医学、臨床医学 | 米国 | 1946年 |
ガードナー国際賞 | 医学 | カナダ | 1959年 |
ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞 | 生物学、生化学 | 米国 | 1967年 |
ダーウィン・メダル | 生物学 | 英国 | 1890年 |
ローゼンスティール賞 | 基礎医学 | 米国 | 1971年 |
マスリー賞 | 生命科学 | 米国 | 1996年 |
ワイリー賞 | 基礎医学、臨床医学 | 米国 | 2002年 |
ボルツマン賞 | 熱力学・統計学 | ベルギー | 1975年 |
JJサクライ賞 | 理論物理学 | 米国 | 1985年 |
ディラック賞 | 理論物理学(数学を除く) | イタリア | 1985年 |
ブルーノ・ロッシ賞 | 高エネルギー天体物理学 | 米国 | 1985年 |
クラフォード賞 | 天文学・科学、地球科学 | スウェーデン | 1982年 |
ウィリアム・ボウイ・メダル | 地球物理学 | 米国 | 1939年 |
マックス・プランク・メダル | 理論物理学 | ドイツ | 1929年 |
チューリング賞 | 情報工学計算機科学 | 米国 | 1966年 |
チャールズ・スターク・トレイパー賞 | 工学 | 米国 | 1989年 |
エジソン・メダル | 電気電子技術 | 米国 | 1909年 |
ウォラストン・メダル | 地質学 | 英国 | 1831年 |
カラム地理学メダル | 地理学 | 米国 | 1896年 |
ランフォード・メダル | 熱と光の分野 | 英国 | 1800年 |
エディントン・メダル | 天文学 | 英国 | 1953年 |
ブルース・メダル | 天文学 | 米国 | 1898年 |
日本国際賞 | 「物理、化学、工学」、「生命、農学、医学」 | 日本 | 1985年 |
京都賞 | 「先端技術」、「基礎科学」 | 日本 | 1985年 |
ショウ賞 | 天文学、生命科学および医学(数学を除く) | 香港 | 2004年 |
キング・ファイサル国際賞 | 医学部門、科学部門 | サウジアラビア | 1982年 |
ブレイクスルー賞 | 基礎物理学、生命科学(数学を除く) | 米国 | 2012年 |