ここでは、中国の科学技術に関連する体制・組織について述べる。

1. 中国の政治行政体制

 下図は、中国の政治行政体制の全体像を示したものである。

中国の政治行政体制全般
政治行政体制全体

 この中で、科学技術政策や研究開発実施に関わるのは、中国共産党と中央委員会、人民解放軍と中央軍事委員会、国務院と部・委員会など、の3者である。

○中国は中国共産党の一党支配の国家であり、党が国家を領導している。科学技術についても同様である。

○中国共産党の軍隊が人民解放軍であり、人民解放軍を指導するのが中央軍事委員会である。中国では、科学技術と軍事は密接に関係しながら発展してきており、人民解放軍や中央軍事委員会も科学技術に深く関与している。

 

2. 国務院内で重要な科学技術関連機関

 国務院は、中国の国家行政機関であり、諸外国の政府・内閣に相当する。
 国務院の各部局は、科学技術の政策立案に際し、中国共産党と情報提供などで協力し、必要に応じて共同で政策立案に当たっている。

○科学技術部

 国務院において科学技術全般を担当しているのが、科学技術部(科学技术部、Ministry of Science and Technology)である。2023年現在、共産党中央の指示により、科学技術部の組織・権限の見直しが行われている。 

○国家自然科学基金委員会

 国家自然科学基金委員会は、国の科学技術発展の方針・政策に基づき基礎研究および一部の応用研究を国の資金で助成する組織である。同委員会は「NSFC:National Natural Science Foundation of China」と略称されている。2018年の競争的資金改革の一環で科学技術部の傘下の組織として再編された。

○中国科学院

 中国科学院は、中国はもちろん世界においても最大級の科学技術機関である。中国科学院は、大別して研究開発、教育・人材育成、科学者顕彰・助言という3つの役割を有している。

3. 大学

 中国においても、研究者の育成や基礎研究の実施などは大学が担っている。中国の場合、科学技術で重要な役割を担う大学は、ほとんど国務院の部局の所管となっている。