中国の科学技術
Science and Technology in China
このホームページは、約20年にわたって中国の科学技術情勢を調査分析してきた林幸秀(はやしゆきひで)が作成するものである。内容は、既に出版した書籍などの情報をデータベース的にとりまとめたものと、特定のカテゴリーを決めて連載する記事から成り立っている。
This home page is made by Yukihide Hayashi, who has researched and analyzed the science and technology situation in China for about 20 years. The content consists of databases that compiles information on books written by Hayashi as well as articles of specific categories such as university or researchers.
中国の科学技術概要
Overview of Science and Technology in China
科学技術の体制、歴史、政策
System, History and Policy of Science and Technology in China
中国科学院
Chinese Academy of Sciences (CAS)
中国科学院の主な附属研究機関
Major Institutes of CAS
中国の大学制度
University System in China
中国の主要大学
Major Universities in China
優れた中国系科学者
Outstanding Chinese Scientists
中国の科学技術群像
Great Scientists and Leaders of Modern Chinese History
科学技術の国際比較
International Comparison of Scientific and Technological Capabilities
ノーベル賞候補者での日中比較
Comparison between Japan and China by Nobel Prize Candidates
中国の宇宙開発
Space Development in China
中国のライフサイエンス
Lifescience Activities in China
中国の科学技術についての記事
現在、優れた中国系科学者の記事、中国科学院附属の主要研究所の記事を連載で掲載している。
Currently, I have serializing articles on Outstanding Chinese scientists and Major Research institutes of Chinese Academy of Sciences (CAS).
なお、これらの記事を掲載したニュースレターをライフサイエンス振興財団で発出しており、受信希望の方は次のメールアドレスまで、連絡をお願いしたい。 japan@lifesci-found.com
○国内での評価の高い科学者(連載中)
Scientists with high reputation in China (Now on Series)
袁国勇(Kwok-yung Yuen)
袁国勇(1952年~)香港大学教授は、SARSなどの感染症ウィルスの研究で成果を挙げ、2021年に同僚のジョセフ・ペイリス教授とともに未来科学大賞生命科学賞を受賞した。
彭実戈 (Shige Peng)
彭実戈 (彭实戈、1947年~) 山東大学教授は、金融市場におけるデリバティブ証券の価格理論を研究するための強力なツールであるバックワード確率微分方程式やフォワード・バックワード確率微分方程式の概念を提示し、2020年に、未来科学大賞数学・計算機科学賞を受賞した。
盧柯 (Ke Lu)
盧柯 (卢柯、Ke Lu、1965年~)は、華東工程学院を卒業し、中国科学院金属研究所で博士学位を取得して、同研究所の研究員となった。盧柯はナノ金属材料を研究し、2020年に未来科学大賞物質科学賞を受賞した。また政治家としても活躍し、九三学社の中央副主席や遼寧省人民政府副主席などを務めている。
趙東元 (Dongyuan Zhao)
趙東元 (赵东元、Dongyuan Zhao、1963年~) は、吉林大学で博士号を取得の後、イスラエル、米国でポスドク研究を行い、帰国して復旦大学の教授となった。復旦大学で機能性メソポーラス材料の研究で成果を挙げ、2020年に国家自然科学賞一等賞の筆頭受賞者となった。現在も復旦大学化学材料学科長として活躍している。
包信和 (Xinhe Bao)
包信和 (1959年~)は、界面化学と触媒についての研究で成果を挙げ、大連化学物理研究所のスタッフと共に、2020年度の国家自然科学賞一等賞を筆頭受賞者として受賞した。受賞理由は、「ナノ閉じ込め触媒」の研究であった。現在は、安徽省合肥市にある中国科学技術大学の学長を務めている。
王小雲 (Xiaoyun Wang)
王小雲 (王小云、1966年~) 山東大学教授は、暗号分野の研究で成果を挙げ、2019年に未来科学大賞数学・計算機科学賞を受賞している。
○中国科学院附属の主要研究機関(連載中)
Major Research institutes of Chinese Academy of Sciences (Now on Series)
生物物理研究所
生物物理研究所 (Institute of Biophysics) は、北京市にある中国科学院の附属研究機関である。中国における最先端の生物学の研究所として、タンパク質科学、脳と認知科学、感染・免疫、DNA生物学などの基礎生物学・学際生物学などの研究を行っている。
半導体研究所
半導体研究所 (半导体研究所、Institute of Semiconductors) は、北京市にある中国科学院の研究機関である。中国最初の科学技術中長期計画で半導体技術が重要なプロジェクトとなったため、1960年に設立された。半導体に係わる材料、デバイス、プロセス、電子回路、半導体物理などの研究開発を行っている。
化学研究所
化学研究所 (Institute of Chemistry) は、北京市にある中国科学院の附属研究機関である。高分子科学、物理化学、有機化学、分析化学、無機化学などの研究開発を行っている。化学研究で、国際的に高水準にある日本とも関係が深い。規模はそれほど大きくないが、研究開発力、研究成果などで、トップレベルである。
プロセス工学研究所
プロセス工学研究所 (过程工程研究所、Institute of Process Engineering) は、北京市にある中国科学院の附属研究機関である。 設立当初は製鉄などの冶金研究が中心であったが、現在はバナジウム、チタン、レアアースなどや、グリーンケミカル、ハイエンド材料、生物医学などの研究開発を行っている。
長春応用化学研究所
長春応用化学研究所 (Changchun Institute of Applied Chemistry) は、中国科学院の附属研究機関である。化学分野における基礎研究、応用研究、ハイテク研究、産業化開発などの研究開発を行っている。日本の傀儡政権であった満州国の大陸科学院が母体である。