国家科学技術難関突破計画の開始(1982年)
難関突破計画(正式名称:国家科学技術難関突破計画)は、国民経済と社会発展の中で重要な課題を解決するために1982年に開始されたプログラムである。
難関突破計画の制定経緯
「国家科学技術難関突破計画:国家科技攻关计划」は、「全国科学技術発展改革要綱(1978年~1985年)」と「科学技術発展計画(1986年~2000年)」に基づき、国民経済と社会発展の中で重要な課題を解決するために1982年に開始されたプログラムである。農業、ICT、エネルギー、交通、材料、天然資源開発、環境保護、医療衛生領域の基盤技術や技術の課題解決を対象としている。
難関突破計画の具体的な内容
難関突破計画の個々のプロジェクトは、五か年計画の中で位置づけられてきており、最初は1981年から1985年をカバーする「第6次五か年計画」の途中に開始され、その後「第7次五か年計画、「第8次五か年計画」、「第9次五か年計画」にも位置づけられた。
プロジェクトのカテゴリーとして、ⅰ)農業・工業における業界発展のための技術開発、ⅱ)電子、情報、材料、バイオなどの新興技術の開発、ⅲ)軽工業、雑貨、農産物か加工などの既存産業における新製品のための技術開発、ⅳ)環境、医療などの社会技術の開発があった。
具体的な成果
難関突破計画は、国民経済発展「第6次五か年計画」から「第9次五か年計画」期間にかけて、534プロジェクトを立ち上げ、総経費は379億元の人民元を投入した。この計画は、産業技術の高度化、産業構造の調整に重要な役割を果たし、新興産業の育成と発展、社会の持続可能な発展を促進する重要な技術と共通技術を集中的に攻略し、一連の重要な成果を収めた。
具体的な成果としては、特にハイブリッド水稲開発や、三峡ダム、秦山原子力発電所、大型ビニールプラントなどの建設における重要な技術開発にも活かされ、中国の科学技術力と民族の自信を大いに高め、中国の国際的地位を著しく向上させた。
国家科学技術難関突破計画は、その後「国家科学技術支援計画:国家科技支撑计划」となって継続している。
参考資料
・介人図書館HP『国家科技攻关计划』