科学技術進歩法の制定(1993年)
科学技術進歩法は、科学技術の進歩を促進し、科学技術を経済と社会発展の基礎とすることを目的に1993年に制定された法律である。
制定経緯
中華人民共和国の「科学技術進歩法:科学技术进步法」は、科学技術の進歩を促進し、科学技術を第一の生産力としての役割を発揮させ、科学技術の成果を実際の生産力に転化させ、科学技術を経済と社会発展の基礎とすることを制定された法律である。1993年7月に共産党全国人民代表大会常務委員会で了承され、1993年10月1日から施行された。
科学技術進歩法の内容
この法律は、全体で10章、62条から成り立っている。章立ては次の通りである。
第一章 総則
第二章 科学技術と経済建設および社会発展
第三章 ハイテク研究とハイテク産業
第四章 基礎研究と応用基礎研究
第五章 研究開発機関
第六章 科学技術人材
第七章 政府の保証
第八章 科学技術奨励
第九章 法的責任
第十章 付則
鄧小平が主導し江沢民が受け継いだ改革開放政策は、第一章の総則において、科学技術が第一の生産力であること、経済建設と社会発展が科学技術に依拠すること等の規定で担保されている。
また、科学技術研究の自由を保証し、科学技術を世界の先進水準に到達させるとの目標も明確にしている。
制定の影響
本法は、文革終了以来の改革開放政策をさらに発展させるための様々な政策の根拠を与えることになった。具体的には、百人計画を始めとした海外人材の帰国政策(海亀政策)、ハイテク・新技術産業開発区の設置、科学技術奨励、研究開発機関の所長責任制の導入などである。
その後胡錦濤政権の2007年12月に大幅な改訂が行われた。
(参考資料)
・科学技術部HP 「科学技术进步法」