
外国で活躍した中国系科学者
Scientist from China who worked mainly outside China
中国で生まれ、留学などの理由で外国にわたり外国で活躍した科学者の中には、ノーベル賞受賞者など優れた科学者も多い。ここでは、これらの科学者を取り上げ、その生涯、エピソードなどを紹介する。
陳省身(Shiing-shen Chern)
陳省身は、清華大学を卒業した後、ドイツやフランスで数学を学び、米国で活躍した世界的な数学者であり、微分幾何学の大家であった。
呉健雄(Chien-Shiung Wu)
呉健雄は、楊振寧らが提案した理論の実証に成功してノーベル賞受賞に貢献し、中国のキュリー夫人と呼ばれた。
イオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei、貝聿銘)
イオ・ミン・ペイは、ルーブル美術館のピラミッドなどを設計し、1983年にプリツカー賞を受賞している。
楊振寧 (Chen-Ning Yang)
楊振寧は、素粒子間の弱い相互作用におけるパリティの研究で、ノーベル物理学賞を李政道と共同で受賞した。
李政道(Tsung-Dao Lee)
李政道は中国系科学者であり、楊振寧とともにノーベル物理学賞を受賞した。
ティンイェ・リー(歴鼎毅)
ティンイェ・リー(Tingye Li、歴鼎毅、厉鼎毅、厲鼎毅、1931年~2012年)は、レーザー研究により光通信技術などの確立に貢献し、2009年にIEEEのエジソン・メダルを受賞した。
チャールズ・カオ(Charles Kao、高錕)
チャールズ・カオは、光ファイバーの実用化の研究で貢献し、2009年にノーベル物理学賞を受賞した。
サミュエル・ティン(Samuel Ting、丁肇中)
サミュエル・ティンは、米国で生まれ台湾で基礎教育を受け、再度米国に渡り、新しい中間子の発見でノーベル物理学賞を受賞した。
ダニエル・ツイ(Daniel Tsui、崔琦)
ダニエル・ツィ(崔琦)は河南省出身で、分数量子ホール効果の研究により、1998年にノーベル物理学賞を受賞した。
フランク・シュー(徐遐生)
フランク・シュー(Frank H. Shu、1943年~2023年)は、恒星進化論や渦巻銀河の研究で成果を挙げた中国系米国人の天文学者であり、ブルースメダルやショウ賞を受賞した。
ショウチェン・チャン(張首晟)
ショウチェン・チャン(Shoucheng Zhang)は、量子スピンホール効果などの研究で成果を挙げたが、うつ病により自殺した。
中国大陸以外で生まれた中国系科学者
Chinese Origin Scientists who were born outside mainland China
中国では、チャンスを求めて外国へ雄飛する人たちも多く、その子孫に科学技術で成果を挙げた人たちもいる。また、台湾は現在中華人民共和国とは政治的に分離していて、これらの台湾出身者にも優れた科学技術者がいる。これらの人たちを取り上げる。
李遠哲(Yuan Tseh Lee)
李遠哲は、台湾出身者として初めてノーベル賞を受賞した。日本とのつながりが深い科学者である。
スティーブン・チュー(Steven Chu)
スティーブン・チューは、ノーベル物理学賞を受賞し、その後米国オバマ政権でエネルギー長官として地球温暖化対策などを指揮した。
ロジャー・チェン(Roger Tsien)
ロジャー・チェンは2008年に、「緑色蛍光タンパク質の発見と開発」の功績によりノーベル化学賞を受賞した。
デボラ・ジン(Deborah Jin)
デボラ・ジン(金秀蘭)は、米国生まれの中国系女性研究者で、フェルミ凝縮などの研究によりトムソン・ロイター引用栄誉賞(2015年)などを受賞してノーベル物理学賞受賞が期待されたが、惜しくも2016年に46歳の若さで逝去した。
テレンス・タオ (Terence Tao)
テレンス・タオは、オーストラリアで生まれた中国系の数学者で、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した。

















