概要
広州海洋地質調査局は、国務院・自然資源部の管理する事業単位である中国地質調査局所管の研究機関であり、海洋資源、環境、国の海洋権益に重点を置いて調査研究を行っている。
なお、広州海洋地質調査局はHPを有しているが、2026年9月時点で日本からの閲覧はできない。そこで、百度HPや維基HPをベースとしてこの記事を作成した。

1. 名称
〇中国語:广州海洋地质调查局 略称:广海局
〇日本語:広州海洋地質調査局
〇英語:Guangzhou Marine Geological Survey 略称:GMGS
2. 所管
国務院の中国地質調査局の所管である。同局は、国務院の自然資源部の管理する事業単位であり、中国の国土資源調査計画に沿って地質調査・鉱物探査などを行い、その情報を提供している。
3. 所在地
本部は、広東省広州市南沙区海浜路1133号にある。
広東省は、中国大陸の南に位置し、南シナ海に面している。省の南に香港・マカオの両特別行政区が存在している。現在の広東省の人口は12,684万人(中国第1位)、経済規模はGDPで約124,000億元(中国第1位)である。広東省は、広州市および深圳・珠海の経済特区を有し、経済的に非常に富裕な省である。
広州海洋地質調査局のある広州市は、広東省の省都である。秦の始皇帝がこの地を占領し、県を設置したのが歴史の始まりである。近代で鎖国的な政策を取った明や清の時代でも、広州市は例外的に欧米との貿易を認められていた。中華人民共和国成立後も、香港に近いという地の利を活かし、広州市は中国の対外貿易の拠点となった。

4. 沿革
広州海洋地質調査局の母体は、国務院の地質部(現在の中国地質調査局)が1963年に江蘇省南京に設置した海洋地質科学研究所(海洋地质科学研究所)である。
1970年に広東省湛江市に移転し、地質局第二海洋地質調査大隊(第二海洋地质调查大队)と改称した。
1976年に広東省広州市に移転し、南シナ海地質調査本部(南海地质调查指挥部)と改称した。
1989年に、現在の名称である広州海洋地質調査局と改称した。
5. 組織・規模
(1)使命
海洋資源、環境、国の海洋権益という3つの分野に重点を置いている。地質探査を核として、石油・ガス資源調査、海洋工学地質学・災害地質学調査、海洋地質科学調査、南極科学調査、新エネルギー(天然ガスハイドレート)調査、海洋ハイテク分野で成果を上げている。
(2)職員数
百度HPなどの情報によれば、約800名の職員が在籍していて、うち103名が博士号、278名が修士号を取得している。
(3)幹部
広州海洋地質調査局のトップは同局局長であり、中国共産党委員会書記を兼務している。それ以外の幹部としては、副局長、党委員会委員などがいる。
(4)科学調査船
広州海洋地質調査局は、海洋調査や資源探査に係る科学調査船を複数運用している。現在の船舶の停泊埠頭は東莞市にあり、2003年から運用されている。代表的な船舶をいくつか挙げると、
〇探宝号:1978年に日本で建造され、米国で運用されていたものを、1993年に購入した。深海石油・天然ガス探査、地震調査などを行う調査船である。排水量2,600トン。
〇海洋四号:1978年に上海船廠で建造。海洋地質地球物理総合調査船。排水量2,600トン
〇海洋六号:2007年に武昌造船廠で建造。海洋地質地球物理総合調査船。排水量5,000トン
〇海洋地質八号:2017年に上海船廠で建造。排水量2,600トン
〇海洋地質九号:2017年に上海船廠で建造。排水量2,600トン
(5)これまでの実績
広州海洋地質調査局では現在までに、珠江河口盆地における原油掘削、中国沖合における天然ガス・ハイドレート試掘、大洋科学調査・掘削船「夢想号(梦想号)」の建造、深海遠隔操作無人探査機「海馬号(海马号)」の開発などで成果を挙げている。

