「科学技術の進歩の加速について」(1995年)

 科学技術の進歩の加速については、1995年の中国共産党中央と国務院の決定である。科学技術の進歩を加速させなければならないとし、科教興国戦略を提唱したものである。

科学技術の進歩の加速についての決定経緯

 1995年5月、中国共産党中央と国務院は「科学技術の進歩の加速について:关于加速科学技术进步」を決定し、科学技術は第一の生産力で経済と社会発展の最も重要な推進力であり、我が国の近代化建設を実現するためには科学技術を発展させ、科学技術の進歩を加速させなければならないとして、科教興国戦略を提唱した。

科学技術の進歩の加速についての具体的な内容

 この決定の基本的な考え方は次の通りである。

○現在、世界における科学技術の急激な発展は生産活動や生活様式を大きく変化させており、科学技術の実力は国力と国際的地位を決定する重要な要素である。改革開放以来、我が国は社会主義市場経済体制の中で科学技術の改革を推し進め、経済と社会の発展を支え、国際済競争に参画し得る実力を備え、科学技術の進歩を加速するための基礎を打ち立てた。

○しかし我が国では、科学技術と経済の結合を阻害する要素が依然として多く存在している。これを打破し、我が国の国民経済を持続的、迅速かつ健全に発展させるには、科学技術を進歩させて第一の生産力とし、科学技術の成果を生産力へ転化させ、経済建設を確実に進めなければならない。そこで中国共産党中央と国務院は、科教興国(科学と教育により国を興す)戦略を実施することを決定した。科教興国とは、科学技術と教育を経済社会発展の重要な手段と位置づけ、国家の科学技術力を生産力に転化させ、全国民の科学技術素質を向上させ、国家の繁栄に導くことである。

○科教興国戦略の実施に当たっては、次の原則を踏まえる必要がある。
・戦略目標、政策、体制、計画において、科学技術と経済を有機的に結合させる。
・科学技術体制の改革を深める。
・自主的な研究開発と海外の先進技術の導入をバランスよく進める。
・技術開発と成果普及、応用研究と基礎研究を合理的に展開する。
・世界の科学技術の動向と我が国の国情を勘案し、科学技術の目標を作成し、重点を強調し、大胆に実施する。
知識を尊重し、人材を尊重し、人材を輩出する社会環境を創造する。
・研究開発と科学技術普及活動を結合し、科学技術と教育を結合する。

○具体的な対応として以下を実施する。
・農業・農村科学技術の推進
・工業科学技術の推進
・ハイテク開発とハイテク産業の育成
・社会発展にかかわる科学技術の推進
・基礎的な研究の強化
・科学技術体制の改革の深化
・科学技術人材の育成と科学技術文化の醸成
・科学技術資金投入の多面的な拡大
・国際科学技術協力と交流の展開
・共産党と政府の指導の強化。

参考資料

・科学技術部HP 『关于加速科学技术进步