はじめに
西安光学精密機械研究所(西安光学精密机械研究所、Xi'an Institute of Optics and Precision Mechanics)は、中国の核兵器開発に関連する研究として、核実験計測装置や耐放射線材料などの研究を目的として、国務院第二機械部と中国科学院により1962年に陝西省西安に設置された。
光科学、光エレクトロニクス、航空宇宙、先端製造などの研究を行っている。

1. 名称
○中国語表記:西安光学精密机械研究所 略称 西安光机所
○日本語表記:西安光学精密機械研究所
○英語表記:Xi'an Institute of Optics and Precision Mechanics 略称 XIOPM
2. 所在地
西安光学精密機械研究所の所在地は、陝西省西安市高新区新型工業園信息大道17号である。
3. 沿革
西安光学精密機械研究所は、中国の主要な軍事技術研究政策である両弾一星政策をサポートするために、1962年に陝西省西安市に設置された。母体は、中国科学院西安原子能研究所、応用光学研究所、機械研究所などである。東西冷戦時代であり、敵側の武力攻撃を避けるため経済の発展している大陸の海岸部ではなく、大陸西部に設置された。
文化大革命時代の1968年に人民解放軍の傘下に入ったが、1970年に中国科学院に戻り、現在の名称となった。
4. 組織の概要
(1)研究分野
西安光学精密機械研究所は、光科学、光エレクトロニクス、航空宇宙技術、先進製造の4つの分野で、超高速光学とフォトニクス、新しい光機能材料とデバイス、宇宙の高解像度可視光情報取得、干渉スペクトルイメージング、宇宙レーザー通信と全光スイッチング、紫外線と微弱光の検出、高精度光追跡測定と照準、高速光電子情報の取得と処理、海洋光学などの研究を進めている。
(2)主な研究組織
西安光学精密機械研究所の主な研究組織は以下のとおりである。
・転移光学・光子技術国家重点実験室(瞬态光学与光子技术国家重点实验室)
・中国科学院超高速診断技術重点実験室(中国科学院超快诊断技术重点实验室)
・中国科学院光イメージング技術重点実験室(中国科学院光谱成像技术重点实验室)
・中国科学院宇宙精密測量技術重点実験室(中国科学院空间精密测量技术重点实验室)
5. 規模
西安光学精密機械研究所は、中国西北地区で大きな研究機関の一つである。
(1)職員数
西安光学精密機械研究所の2021年現在の職員総数は985名で、中国科学院の中では第16位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)予算
西安光学精密機械研究所の2021年予算額は11億8,027万元で、中国科学院の中では第20位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)研究生
西安光学精密機械研究所の2021年現在の在所研究生総数は569名で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
6. 研究開発力
(1)国家級実験室など
西安光学精密機械研究所は、1つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
・転移光学・光子技術国家重点実験室(瞬态光学与光子技术国家重点实验室):1995年より研究を開始している。新世代の光子情報と光子技術に焦点を当て、光子情報の取得、伝送、処理、応用などの研究を行っている。
(2)NSFC面上項目獲得額
NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院内で20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
7. 研究成果
(1)Nature Index
Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)特許出願数
2021年の特許出願数は325件で、中国科学院内で第17位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)成果の移転収入
2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(4)両院院士数
2024年2月時点で所属する両院の院士は1名であり、中国科学院内のランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(名):相里斌
参考資料
・西安光学精密機械研究所 HP https://opt.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編