はじめに
中国地質調査局(中国地质调查局、China Geological Survey)は、国務院自然資源部の管理する事業単位であり、中国の国土資源調査計画に沿って地質調査・鉱物探査などを行い、その情報を提供している。
なお部・委員会(日本の各省に相当)の管理する事業単位とは、内部組織ではなく独立的な機関である。ただし、その独立の度合いは、部・委員会が管理する国家局ほどではない。部・委員会が管理する事業単位としては、他に中国地震局(応急管理部が管理)、国家自然科学基金委員会(科学技術部が管理)などがある。

1. 名称
〇中国語:中国地质调查局
〇日本語:中国地質調査局
〇英語:China Geological Survey 略称:CGS
2. 所在地
中国地質調査局は、北京市西城区阜外大街45号にあり、北京市の中心地である天安門の約2キロメートルほど西に行ったところにある。自然資源部の内部組織となったが、同部の本部とは別の建物に看板を掲げている。また近くには、同局に直属する中国地質科学院がある。
3. 沿革
中華人民共和国が1949年に設立されると、経済を支える鉱物資源の開発が急務となり、1952年に中央政府内に地質部が設置され、初代の部長には著名な鉱物学者である李四光が任命された。
文化大革命期間中の1970年に、国務院の機構改革により地質部は国家計画委員会地質局となった。文革終了後に地質局は独立し、さらに1982年には名称が地質鉱産部(地质矿产部)となった。
1999年の国務院機構改革により、地質鉱産部は中国地質調査局となった。
2018年に、国土資源部、国家測地地理情報局などが合併して自然資源部が設置された際、中国地質調査局も合併の対象となり、自然資源部の管理する事業単位となった。
4. 任務
中国の国土資源調査計画に沿って地質調査・鉱物探査などを行い、その情報を国内外に提供している。具体的には、次のとおりである。
・地質調査および鉱物資源探査の実施と評価
・水文地質、工学、環境に関する地質調査の実施と評価
・地質調査および鉱物探査に関する基礎地質研究・応用研究の実施
・地質および鉱物資源に関する情報ネットワークの構築
5. 組織
(1)幹部
トップである局長は、国務院の副部長(日本の副大臣クラス)であり、国土資源部の司長、自然資源部司長などを経て、2023年に自然資源部副部長となり、2025年に中国地質調査局局長を兼務した。
同局には3名の副局長がいて、局長を補佐している。
(2)内部組織
中国地質調査局の内部組織で、科学技術に関連する部局は次のとおり。
・総工程師(总工程师)
・基礎調査部(基础调查部)
・資源評価部(资源评价部)
・水文地質環境地質部(水文地质环境地质部)
・科技外事部
・装備部(装备部)
(3)局直属単位
中国地質調査局は、いくつかの直属単位を有しており、科学技術に関連する主なものは次の通り。
・中国地質科学院(中国地质科学院)
・広州海洋地質調査局(广州海洋地质调查局)
・青島海洋地質研究所(青岛海洋地质研究所)
・石油天然ガス資源調査センター(油气资源调查中心)
・国家地質実験調査試験センター(国家地质实验测试中心)
これらの中で、中国地質科学院が最も重要な組織であり、内部にいくつかの研究所を有している。同科学院の院長は中国地質調査局長が兼務となっており、本部の建物も中国地質調査局に近い。
参考資料
・中国地質調査局HP https://www.cgs.gov.cn/
・中国地質科学院HP http://www.cags.cgs.gov.cn/
・維基百科HP 中国地质调查局
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%9C%B0%E8%B4%A8%E8%B0%83%E6%9F%A5%E5%B1%80