科学技術体制の改革等の深化に関する意見(1992年)
科学技術体制の改革等の深化に関する意見は、南巡講話により改革開放路線の推進が決定的となったことを受けて、科学技術政策と市場経済との関係を調整するため発表された。
科学技術体制の改革意見の経緯
南巡講話により改革開放路線の推進が決定的となったことを受けて、1992年8月、国家科学技術委員会と国家経済体制改革委員会は科学技術政策と市場経済との関係を調整するため、「科学技術体制の改革等の深化に関する意見(正式名称は、人材移転、構造調整、科学技術体制改革のさらなる深化に関する意見:关于分流人才、调整结构、进一步深化科技体制改革的若干意见)」を共同で発表した。
この意見は、改革開放政策が継続すると確定した現時点が、科学技術体制の改革を深化させる絶好の時期であるとして、人材の流動性を促進し、構造調整を行い、科学技術システム改革をさらに強化することを目指したものである。科学技術の資源を合理的に配置し、科学技術の潜在力を十分に発掘し、科学技術システムを最適化し、社会主義市場経済に適応した体制を確立し、科学技術を第一の生産力にしようとするものである。
意見の具体的な内容
具体策として以下が挙げられている。
○「経済建設は科学技術に依存しなければならず、科学技術の仕事は経済建設に向かわなければならない」という基本方針を堅持し、科学技術の頂点を極めるという戦略的要求にしたがって、歩調を速め、力を尽くし、科学技術システムでの人材の流れと構造調整を推し進めなければならない。
○基礎的な研究、ハイテク研究、重大なプロジェクトの活動に対し、十分な保証と持続的で安定した支援を提供する。
○国の技術開発機構は多くの川が分かれて流れるように、科学技術企業、企業集団、ハイテク産業などの創設と発展の道を歩むべきである。
○社会公益機構と科学技術サービス機構は、経済、社会、科学技術の発展の必要に立脚し、組織ネットワーク化、機能社会化、サービス産業化の新興第三次産業として徐々に構築されるべきである。
○科学技術企業やハイテク産業を強力に発展させ、科学技術の成果と各種生産要素の最適化の組み合わせを実現することにより、科学技術が経済の前面に出て経済成長を推進するという新しい経験を積み重ねるべきである。
○知識を尊重し、人材を尊重し、広範な科学技術者の主体性、積極性、創造性を十分に引き出し、発揮させるべきである。