概要

 南京環境科学研究所(南京环境科学研究所)は江蘇省南京にあって、生態保護と土壌汚染対策を主要な研究分野とする生態環境部の研究機関である。

南京環境科学研究所の写真
南京環境科学研究所  同研究所のHPより引用

1.名称

○中国語:南京环境科学研究所 略称:南京所
○日本語:南京環境科学研究所
○英語:Nanjing Institute of Environmental Sciences 略称:NIES

2.所管

 国務院生態環境部の所管である。

3.所在地

 本部は、江蘇省南京市栖霞区緯地路9号江蘇生命科技創新園にある。 

 江蘇省は、北を山東省、西を安徽省、南を浙江省および上海市と接し、東は黄海に面する。江蘇省は古代中国文明発祥の地の 一つであり、春秋戦国時代に呉・楚などに属し、隋の時代に北京 - 杭州大運河が開通して以降、中国の経済の中心地として、産業、文化、教育などが発達した。現在でも経済規模は大きく、2021年のGDPは約11.6兆元で、広東省に続き中国第2位である。人口は2021年で約8,500万人である。
 南京環境科学研究所の本部がある南京市は、江蘇省の南西部にある省都で、上海市から西北西に約200キロメートルの位置にある。西と北は安徽省と接している。南京市の人口は、2020年で約930万人である。2021年のGDPは、約1.64兆元であり、全都市中第10位である。ちなみに、同じ江蘇省内の蘇州市は2.27兆元で第6位である。南京の郊外には紫金山があり、孫文の墓所である中山陵、明の朱元璋の墓所である明孝陵などがある。

孫文の墓所である中山陵
南京市の郊外にある中山陵 孫文の廟

4.沿革

 国際的な環境保護の高まりを受け、江蘇省は文化大革命終了後の1978年に、「環境科学研究所(环境科学研究所)」を設置した。

 1983年に、中央政府である国務院の都市農村開発部(城乡建设部、当時)に配置替えとなり、名称を「南京環境科学研究所(南京环境科学研究所)とした。

 1988年に、国務院の独立局として国家環境保護局(局長は副大臣クラス)が設置され、南京環境科学研究所はその傘下の組織となった。
 その後、国家環境保護局は1998年に国家環境保護総局(局長は大臣クラス)に格上げされ、さらに2008年には国務院の組成部局に格上げされ、環境保護部(部長は国務大臣)が設置された。
 さらに2018年には、国務院の機構改革により、環境保護部は生態環境部と名称が変更された。

 この間、南京環境科学研究所は、一貫してこれらの傘下の組織として変遷してきた。

5.組織・規模

(1)使命

 南京環境科学研究所は、生態保護と土壌汚染対策を主要な研究方向とし、生態保護と修復、自然保護、生物多様性の保全とバイオセーフティ、生態文明、化学物質の生態影響と汚染対策、固形廃棄物汚染対策、流域生態保護と汚染対策技術、土壌汚染対策、農村環境と有機食品開発、環境管理と工学技術など分野における基礎研究・応用研究の任務を担っている。

(2)職員数

 南京環境科学研究所のHPによれば、2026年現在の総職員数は789名である。このうち、中国工程院院士1名、高級専門技術者240名であり、また修士以上の学歴を有する職員は670名となっている。

(3)幹部

 南京環境科学研究所のトップは所長兼中国共産党委書記であり、それ以外に副所長、高級工程師などが指導部となっている。

(4)下部組織

 HPによれば、南京環境科学研究所は、以下のような研究組織を有している。

・生態系保護・再生研究センター(生态保护与修复研究中心)
・自然保護区研究センター(自然保护地研究中心)
・生物多様性保全・バイオセイフティ研究センター(生物多样性保护与生物安全研究中心)
・生態文明建設研究センター(生态文明建设研究中心)
・土壌汚染防止・管理研究センター(土壤污染防治研究中心)
・化学物質の生態影響および汚染制御に関する研究センター(化学品生态效应与污染防治研究中心)
・流域生態保護・汚染制御技術研究センター(流域生态保护与污染防治技术研究中心)
・固形廃棄物汚染防止管理研究センター(固体废物污染防治研究中心)
・農村環境・有機食品開発研究センター(农村环境与有机食品发展研究中心)
・環境管理・工学技術センター(环境管理与工程技术中心)

(5)研究生の受け入れ

 南京環境科学研究所のHPによれば、同研究では南京大学、東南大学など20以上の大学と共同で大学院生の教育を行っており、現在、60名以上の修士・博士課程指導教員と120名以上の修士・博士課程学生が在籍している。

(6)他の環境科学研究所

 中国において、南京環境科学研究所以外の環境関係研究機関として、生態環境部所管の他の研究機関である「中国環境科学研究院」、「華南環境科学研究所(华南环境科学研究所)」、「衛星環境応用センター(卫星环境应用中心)」が重要である。

参考資料

・南京環境科学研究所HP https://www.nies.org/