はじめに

 国有資産監督管理委員会(国有资产监督管理委员会、State-owned Assets Supervision and Administration Commission)は、国務院の直属特設機構であり、中国の国有企業を管理・監督する組織である。国有企業の役員・経営陣の任命、株式や資産の売買などを業務とする。
 国務院の直属特設機構(国务院直属特设机构)とは、科学技術部のような組成部門(日本の各省に相当)ではないが、特定の専門事項を管理し特別な機能を遂行するために設置される組織である。
 国務院の組織に関する詳しい説明は、こちらを参照されたい。

国有資産監督管理委員会の建物
国有資産監督管理委員会 維基百科HPより引用

1. 名称

〇中国語:国有资产监督管理委员会  略称 国资委
〇日本語:国有資産監督管理委員会
〇英語:State-owned Assets Supervision and Administration Commission of the State Council 略称:SASAC

2. 所在地

 本部は、北京市宣武門西大街26号にある。北京市の中心地である天安門の南に天安門広場があり、さらに南に正陽門(正阳门)がある。この正陽門の前を通る大街を約2キロメートルほど西に行ったところにある。

3. 沿革

 2003年に新設された国務院の直属特設機構であり、比較的新しい組織である。
 国務院の直属特設機構(国务院直属特设机构)とは、科学技術部のような組成部門(日本の各省に相当)ではないが、特定の専門事項を管理し特別な機能を遂行するために設置される組織である。直属特設機構は、現在のところ国有資産監督管理委員会のみである。

4. 任務

 中国の国有企業を管理・監督する組織である。国有企業の役員・経営陣の任命、株式や資産の売買、国有企業に関する法令の起草などをその業務とする。

5. 組織

(1)幹部

 国有資産監督管理委員会のトップは主任であり、大臣(部長)クラスである。現在の主任は張玉卓(张玉卓、1962年~)であり、山東鉱業学院などを卒業した石炭科学研究者である。2023年から同委員会の主任を務めている。 

 主任を補佐する幹部として、副主任が2名、同委員会共産党委員が3名置かれている。

(2)中央企業

 国有資産監督管理委員会が株式を有し、監督管理している国有企業を中央企業(中央企业、略称:央企)と呼んでいる。ただし、中央企業の中には、国有資産管理監督委員会ではなく、財政部(日本の財務省に相当)などが監督している国有企業もある。

 国有資産監督管理委員会が管理している中央企業は、2025年7月現在で、100社となっている。このうち、原子力、宇宙開発、海洋開発などに係る研究開発機関を有する中央企業は、次のとおりである。
・中国核工业集团有限公司
・中国航天科技集团有限公司
・中国航天科工集团有限公司
・中国船舶集团有限公司
・中国机械科学研究总院集团有限公司
・中国建筑科学研究院有限公司

参考資料

・国有資産監督管理委員会HP http://www.sasac.gov.cn/
・維基百科HP 国务院国有资产监督管理委员会
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%8A%A1%E9%99%A2%E5%9B%BD%E6%9C%89%E8%B5%84%E4%BA%A7%E7%9B%91%E7%9D%A3%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%A7%94%E5%91%98%E4%BC%9A