はじめに
国家林業・草原局(国家林业和草原局、National Energy Administration)は、国務院部委管理国家局の一つであり、森林、草原、湿地、砂漠、陸生生物の管理を担当している。同局は自然資源部の管理を受けている。
国務院部委管理国家局(国务院部委管理的国家局)とは、国務院の別の組織により管理される局であり、特定の行政業務を行う。通常は国務院内の最重要組織である組成部門(部・委員会などで、日本の各省に相当)が管理しているが、組成部門以外でも管理する局を有している場合がある。

1. 名称
〇中国語:国家林业和草原局 略称:国家林草局
〇日本語:国家林業・草原局
〇英語:National Forestry and Grassland Administration
なお、同局は中国の国立公園(中国語で国家公园)の管理を担当しており、国家公园管理局(国立公園管理局、National Park Administration)という名称も有している。
2. 所在地
国家林業・草原局の本部は、北京市東城区和平里東街18号にある。北京市の中心地である天安門の約5キロメートルほど北東に行ったところにあり、近くには地檀公園がある。
3. 沿革
(1)林墾部、林業部
中華人民共和国が1949年に設立されると、林業と開墾・開拓を担当する林墾部が中央人民政府の中に設置された。これが、現在の国家林業草原局の母体である。
1951年に、開拓・開墾業務は農業部に移管され、林業部に名称変更となった。
(2)農林部
1970年に、農業部と林業部が合併し、農林部となった。
1979年に、農林部が廃止され、農業部と林業部になった。
(3)国家林業局
1998年に、林業部が廃止され、国務院の直属機関である国家林業局となった。
(4)国家林業・草原局
2018年に、国家林業局を母体とし、国務院の他の部局の草原管理業務、自然保護業務、自然遺産業務、公園管理業務などを統合して、新たに国家林業・草原局が設置された。
4. 任務
国家林業・草原局は、森林、草原、湿地、砂漠、陸生の野生動物や植物資源の開発、利用、保護に関する監督管理、生態系の保護と回復、植林と緑化事業の実施、国立公園やその他の自然保護区の管理を担当している。
5. 組織
(1)幹部
トップは局長であり、副大臣(副部長)クラスである。現在の局長は劉国洪 (刘国洪、1966年~)であり、南京大学大地海洋科学科修士課程を卒業して国土資源部などに勤め、2025年に国家林業・草原局局長に就任した。副局長が5名いて、局長を補佐している。
(2)内部部局
内部部局のうち、主たる組織は次のとおりである。
・生態保護修復司(生态保护修复司)
・森林資源管理司(森林资源管理司)
・草原管理司
・湿地管理司
・砂漠化防治司(荒漠化防治司)
・野生動植物保護司(野生动植物保护司)
・科学技術司(科学技术司)
(3)科学技術に関連する直属事業単位
次の直属事業単位を有する。
・中国林業科学研究院(中国林业科学研究院)
参考資料
・国家林業・草原局HP http://www.forestry.gov.cn/
・維基百科HP 国家林業・草原局 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E6%9E%97%E4%B8%9A%E5%92%8C%E8%8D%89%E5%8E%9F%E5%B1%80