概要
華南環境科学研究所(华南环境科学研究所)は、広東省広州市にある生態環境部の研究機関であり、大気環境、水環境、土壌環境、生態環境、固体廃棄物、クリーン生産、循環型経済などの研究を行っている。

1.名称
○中国語:华南环境科学研究所 略称:华南所
○日本語:華南環境科学研究所
○英語:South China Institute of Environmental Science 略称:SCIES
2.所管
3.所在地
本部は、広東省広州市黄埔区瑞和路18号にある。
広東省は、中国大陸の南に位置し、南シナ海に面している。省の南に香港・マカオの両特別行政区が存在している。現在の広東省の人口は12,684万人(中国第1位)、経済規模はGDPで約124,000億元(中国第1位)である。広東省は、広州市および深圳・珠海の経済特区を有し、経済的に非常に富裕な省である。
華南環境研究所のある広州市は、広東省の省都である。秦の始皇帝がこの地を占領し、県を設置したのが歴史の始まりである。近代で鎖国的な政策を取った明や清の時代でも、広州市は例外的に欧米との貿易を認められていた。中華人民共和国成立後も、香港に近いという地の利を活かし、広州市は中国の対外貿易の拠点となった。

4.沿革
国際的な環境保護の高まりを受けて1973年に、広東省の傘下の研究所として環境保護研究所(环境保护研究所)が設立された。1984年には、国の研究機関となり、名称を「華南環境科学研究所(华南环境科学研究所)」とした。
1988年に、国務院の独立局として国家環境保護局(局長は副大臣クラス)が設置され、華南環境科学研究所はその傘下の組織となった。
その後、国家環境保護局は1998年に国家環境保護総局(局長は大臣クラス)に格上げされ、さらに2008年には国務院の組成部局に格上げされ、環境保護部(部長は大臣クラス)が設置された。
さらに2018年には、国務院の機構改革により、環境保護部は生態環境部と名称が変更された。
この間、華南環境科学研究所は、一貫してこれらの傘下の組織として変遷してきた。
5.組織・規模
(1)使命
華南環境科学研究所は、中国における総合的かつ最高峰の生態環境研究機関であり、大気環境、水環境、土壌環境、生態環境、固体廃棄物、クリーン生産、循環型経済などの分野における基礎研究・応用研究・ハイテク研究の任務を担っている。
(2)職員数
華南環境科学研究所のHPによれば、2026年現在の総職員数は718名である。このうち、高級職91名、副高級職157名、中級職307名、初級職95名である。
(3)幹部
華南環境科学研究所のトップは、所長であり、中国共産党委員会書記を兼務している。それ以外の幹部として、副所長、中国共産党委員会委員などが指導部となっている。
(4)下部組織
HPによれば、華南環境科学研究所は、以下のような研究組織を有している。
・海洋生態環境研究センター(海洋生态环境研究中心)
・河口・沿岸生態環境研究センター(河口与海岸生态环境研究中心)
・水生態環境研究センター(水生态环境研究中心)
・大気環境研究センター(大气环境研究中心)
・生態環境修復技術研究センター(生态环境修复技术研究中心)
・都市生態環境研究センター(城市生态环境研究中心)
・生態環境リスク管理・緊急技術研究センター(生态环境风险管理与应急技术研究中心)
・華南環境被害司法鑑定センター(华南环境损害司法鉴定中心)
・環境健康研究センター(环境健康研究中心)
・華南生態環境モニタリング分析センター(南华南生态环境监测分析中心)
・グリーン低炭素イノベーション発展研究センター(绿色低碳创新发展研究中心)
・生態環境工学技術研究チーム(生态环境工程技术研究团队)
・土壌・農村生態環境研究チーム(土壤与农村生态环境研究团队)
・新汚染物質研究チーム(新污染物研究团队)
(5)研究生の受け入れ
華南環境科学研究所のHPによれば、同研究所では中国環境科学研究院、北京師範大学、中国科学院・広州地球化学研究所、中山大学など57の研究機関および大学と共同で大学院生の教育を行っており、現在約50名以上の大学院生指導教員がいて、毎年約70名の大学院生を育成している。
(6)他の環境科学研究所
中国において、華南環境科学研究院以外の環境関係研究機関として、生態環境部所管の他の研究機関である中国環境科学研究院(中国环境科学研究院)、南京環境科学研究所(南京环境科学研究所)、衛星環境応用センター(卫星环境应用中心)が重要である。
参考資料
・華南環境科学研究所HP https://www.scies.org/


