はじめに

 理化技術研究所 (理化技术研究所、Technical Institute of Physics and Chemistry)は、旧中国科学院感光化学研究所、旧低温技術センターを中心とし、北京人工結晶研究開発センターと化学研究所の関連部分を統合して設立された。

 光化学変換・機能材料、極低温科学工学、機能性結晶技術、バイオニックインテリジェント材料、特殊機能材料などを研究している。

理化技術研究所の写真
理化技術研究所 同研究所のHPより引用

1. 名称

○中国語表記:理化技术研究所  略称 理化所
○日本語表記:理化技術研究所
○英語表記:Technical Institute of Physics and Chemistry  略称 TIPC

2. 所在地

 理化技術研究所の所在地は、北京市海淀区中関村東路29号である。

3. 沿革

 理化技術研究所は、旧中国科学院感光化学研究所、旧低温技術センターを中心とし、北京人工結晶研究開発センターと化学研究所の関連部分を統合して1999年に設立された。

4. 組織の概要

(1)研究分野

 理化技術研究所 は、物理学、化学、工学をベースとし、光化学変換・機能材料、極低温科学工学、機能性結晶技術、バイオニックインテリジェント材料、特殊機能材料などを研究している。

(2)主な研究組織

 理化技術研究所 の主な研究組織は以下のとおりである。

・低温科学・技術全国重点実験室(低温科学与技术全国重点实验室)
・プラスチック工学国家工程研究センター(工程塑料国家工程研究中心)
・中国科学院光化学変換・機能性材料重点実験室(中国科学院光化学转换与功能材料重点实验室)
・中国科学院機能性結晶・レーザー技術重点実験室(中国科学院功能晶体与激光技术重点实验室)
・中国科学院低温工学重点実験室(中国科学院低温工程学重点实验室)
・中国科学院固体レーザー重点実験室(中国科学院固体激光重点实验室)
・中国科学院バイオニック材料・界面科学重点実験室(中国科学院仿生材料与界面科学重点实验室)
・中国科学院宇宙電力熱変換技術重点実験室(中国科学院空间功热转换技术重点实验室)

5. 研究所の規模

(1)職員数

 2021年現在の職員総数は514名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)予算

 2021年予算額は9億7,619万元で、中国科学院の中では第27位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)研究生

 2021年現在の在所研究生総数は686名で、中国科学院の中では第23位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

6. 研究開発力

(1)国家級実験室など

 1つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

低温科学・技術全国重点実験室(低温科学与技术全国重点实验室):2024年に設置された。エネルギーと航空宇宙分野のニーズにこたえるため、共通低温基礎、重点低温技術、低温フロンティア技術の3つの分野で研究を展開している。

(2)NSFC面上項目獲得額

 NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

7. 研究成果

(1)Nature Index

 Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)特許出願数

 2021年の特許出願数は605件で、中国科学院内で第6位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)成果の移転収入

 2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(4)両院院士数

 2024年2月時点で所属する両院の院士は5名であり、中国科学院内のランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

〇中国科学院院士(4名):佟振合、周远、江雷、吴骊珠
〇中国工程院院士(1名):许祖彦

参考資料

・理化技術研究所 HP http://www.ipc.ac.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編