Deng-Xiaoping Era
ここでは、1976年末に四人組が逮捕されて以降、主として鄧小平が指導した時代の歴史を概観し、科学技術に関係する政策、事件などについて触れる。
科学の春~郭沫若の講話
科学の春は、文革終了後の1978年に開催された全国科学大会で郭沫若が提出して代読させた講話のテーマである。文革の破壊と混乱から科学技術の回復を目指す機運を象徴している。
国家重点実験室の開始(1984年)
国家重点実験室は、限られた研究資源や研究人材を特定の実験室に集中させ、世界水準の研究を実施させることを目指し、国務院が1984年に指定を開始した。
星火計画~農村の技術と農村企業の支援
星火計画は、国家科学技術委員会が1985年に開始した農村の技術向上と農村企業の支援に特化したプログラムであり、農村の活性化に貢献するものである。
科学技術体制改革に関する決定(1985年)
科学技術体制改革に関する決定は、科学技術活動の運営、組織構造、人事制度の改革を行うことにより、科学技術と経済社会の調和のある発展を促進することを目指し、共産党中央が1985年に公表した。
国家自然科学基金委員会(NSFC)~競争資金導入
国家自然科学基金委員会(NSFC)は、大学や研究機関の基礎研究に対して競争的な資金援助することを目的に、1986年に国務院に設置された。
中関村ハイテクパーク~ハイテク企業の育成
中関村ハイテクパークは、国務院が1988年に国家ハイテク産業開発政策の一環として、ハイテク企業の誘致と育成を図るため北京市海淀区に設置した。
科学技術体制の深化に関わる若干の問題の決定
科学技術体制の深化に関わる若干の問題の決定は、研究機関に競争的なメカニズムの導入し、研究機関の所有と経営管理の分離などを促すものであった。
参考資料
・JST中国総合研究・さくらサイエンスセンター『中国の科学技術の政策変遷と発展経緯(PDF)』2019年
・天児慧『中華人民共和国史』岩波新書 2013年
・天児慧『中国の歴史11 巨龍の胎動』講談社 2004年
・安藤正士『現代中国年表1941-2008』岩波書店 2010年