Jiang-Zemin Era

 江沢民は、鄧小平が進めた改革開放路線を遵守し、経済を発展させて研究開発費や価額技術人材を増加させ、科学技術を強化していった。ここでは、1992年以降、江沢民が指導した時代の歴史を概観し、科学技術に関係する政策、事件などについて触れる。

江沢民の写真
江沢民時代の科学技術政策概要

江沢民時代の科学技術政策の特徴は、改革開放路線を維持して経済発展を強化し、科学技術と教育を一体的に強化して国を興す「科教興国戦略」である。

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科学技術体制の改革等の深化に関する意見

科学技術体制改革等の深化に関する意見は、南巡講話により改革開放路線の推進が決定的となったことを受けて、科学技術政策と市場経済との関係を調整するため発表された。

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科学技術進歩法の制定

科学技術進歩法は、科学技術の進歩を促進し、科学技術を経済と社会発展の基礎とすることを目的に1993年に制定された法律である。

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百人計画の開始~海外人材の招聘開始

百人計画は、中国科学院により1994年から開始された、外国に就労していた科学技術人材の帰国奨励政策で、海亀(回帰)政策の開始であった。

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科学技術の進歩の加速~科教興国戦略の提唱

科学技術の進歩の加速については、1995年の中国共産党中央と国務院の決定である。科学技術の進歩を加速させなければならないとして、科教興国戦略を提唱したものである。

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江沢民の演説~科教興国戦略の実施

江沢民の演説は、1995年に開かれて全国科学技術大会でのものであり、科教興国戦略の実施を告げるものであった。

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211工程の開始~大学の重点化政策

211工程は、江沢民が推し進める科教興国戦略の一つとして、世界一流レベルの大学の構築を目指して1995年に開始された大学の重点化政策である。

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973計画~基礎研究の競争的資金

973計画は、基礎研究の重点プロジェクトに資金援助することにより、産業やイノベーションの発展を強化するものである。

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985工程の開始~大学のさらなる重点化

985工程は、江沢民総書記が1998年に提唱した、中国の主要大学における211工程を踏まえたさらなる重点化政策である。

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国家最高科学技術賞を受賞する屠呦呦
国家科学技術奨励条例~科学者・組織の顕彰

国家科学技術奨励条例は、国務院が1999年に科学技術の進歩活動に貢献する科学技術者や組織を顕彰するため制定した。

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イノベーション、ハイテクの発展、産業化の実現

イノベーション、ハイテクの発展、産業化の実現に関する決定は、共産党中央と国務院が1999年に策定した。公的科研機関の企業化を推進し、イノベーション強化とハイテク企業振興を提唱した。

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国家局所属の研究機関の管理体制

国家局所属科学研究機関の管理体制の改革に対する意見は、1999年に公表された。この意見は、10の国家局に属する242の科学研究機関について、民間企業に転換することにより、科学研究機関を改革しようとするものである。

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管理体制の改革の深化に関する意見

管理体制の改革の深化に関する意見は、非効率な国の研究機関を統合、民営化などにより、発展分野と高レベルな研究機関に資源を集中させるため、2000年に策定された。

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第10次五か年計画(2001年~2005年)

第10次五か年計画は、2001年に公表された。依拠すべき中長期計画が無かったため、国全体の五か年計画の科学技術・教育に関する特別計画として策定された。

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国家産業技術政策~イノベーションと産業技術

国家産業技術政策は、2001年のWTO加盟を受けて、科学技術の面から民間企業の支援を進める施策である。

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参考資料

・JST中国総合研究・さくらサイエンスセンター『中国の科学技術の政策変遷と発展経緯(PDF)』2019年
・天児慧『中華人民共和国史』岩波新書 2013年
・天児慧『中国の歴史11 巨龍の胎動』講談社 2004年
・安藤正士『現代中国年表1941-2008』岩波書店 2010年