はじめに
2024年10月7日から9日にかけて、ノーベル科学三賞の受賞者が発表された。残念ながら、林が予想した中国と日本の科学者は選ばれなかった。
ただ、今回の受賞者7名は、いずれも予想の根拠とした著名な国際賞(全体で32賞、こちら参照)を受賞しており、さらにクラリベイト引用栄誉賞(2016年まではトムソン・ロイター引用栄誉賞)受賞者も7名中5名に上っている。
具体的には次の通りである。
○ノーベル生理学・医学賞
・ビクター・アンブロス(Victor Ambros)マサチューセッツ大学教授:ローゼンスティール賞(2004年)、ガードナー国際賞(2008年)、ベンジャミン・フランクリン・メダル(2008年)、ラスカー基礎医学研究賞(2008年)、トムソン・ロイター引用栄誉賞(2008年)、ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞(2009年)、マスリー賞(2009年)、ウルフ賞医学部門(2014年)、生命科学ブレイクスルー賞(2015年)
・ゲイリー・ラブカン(Gary Ruvkun)ハーバード大学教授:ローゼンスティール賞(2004年)、ガードナー国際賞(2008年)、ベンジャミン・フランクリン・メダル(2008年)、ラスカー基礎医学研究賞(2008年)、トムソン・ロイター引用栄誉賞(2008年)、ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞(2009年)、マスリー賞(2009年)、ウルフ賞医学部門(2014年)、生命科学ブレイクスルー賞(2015年)
○ノーベル物理学賞
・ジェフリー・ヒントン(Geoffrey Hinton)トロント大学教授:チューリング賞(2018年)
・ジョン・ホップフィールド(John J. Hopfield)プリンストン大学教授:ディラック賞(2001年)、ベンジャミン・フランクリン・メダル(2019年)、ボルツマン賞(2022年)
○ノーベル化学賞
・デビッド・ベイカー(David Baker)ワシントン大学教授:生命科学ブレイクスルー賞(2021年)、ワイリー賞(2022年)、クラリベイト引用栄誉賞(2024年)
・デミス・ハサビス (Demis Hassabis)グーグル・ディープマインド社:ワイリー賞(2022年)、生命科学ブレイクスルー賞(2023年)、ガードナー国際賞(2023年)、ラスカー基礎医学研究賞(2023年)、クラリベイト引用栄誉賞(2024年)
・ジョン・ジャンパー(John M. Jumper)グーグル・ディープマインド社:ワイリー賞(2022年)、生命科学ブレイクスルー賞(2023年)、ガードナー国際賞(2023年)、ラスカー基礎医学研究賞(2023年)、クラリベイト引用栄誉賞(2024年)
著名な国際賞などの重要性
上記の様な結果を見ると、科学技術における米国の圧倒的な存在感を改めて感じる。
一方、ノーベル賞を受賞するような世界トップクラスの科学者を選定するには、著名な国際賞やクラリベイト引用栄誉賞の受賞者に注目するという考え方に、問題は無いと改めて感じた。