銭偉長(Weichang Qian、1912年~2010年)
銭偉長は、弾性力学、爆発力学などで理論面での貢献をし、科学技術の発展に多大な足跡を残した。銭学森、銭三強と並んで中国科学界の「三銭」と呼ばれている。
何沢慧(Zehui He、1914年~2011年)
何沢慧(何泽慧)は、ドイツやパリで研究を行った後、夫・銭三強と共に帰国し、高エネルギー物理研究所などので宇宙線研究を行った女性科学者である。
呉文俊(Wenjun Wu、1919年~2017年)
呉文俊(Wu Wenjun、吴文俊、1919年~2017年)は、台数トポロジーの研究で成果を挙げた数学者であり、ウー類(Wu classes)やウーの公式にその名を残している。
黄昆(Kun Huang、1919年~2005年)
黄昆は、固体物理学を基に半導体の理論的な研究の基礎を築いた。半導体は、産業のコメとも言われてIT産業などに不可欠な素材であり、中国でもその研究開発と産業化が熱心に進められている。
呉孟超(Mengchao Wu、1922年~2021年)
呉孟超(吴孟超、Wu Mengchao、1922年~2021年)は、中国の外科医・医学者であり、肝臓・胆管の外科手法などを開発し、「中国肝胆外科の父」と呼ばれている。
金怡濂(Yilian Jin、1929年~)
世界では、日本、米国と並んで中国がスパコン開発の中心国である。金怡濂は、中国の工学者でスパコン「神威・太湖之光」の開発の指揮を執り、同機は計算速度で世界一の座を2年間維持した。
袁隆平(Longping Yuan、1930年~2021年)
袁隆平は、ハイブリッド米を開発した農学者である。桁外れの人口を擁している中国では、国民の食糧を如何にして確保するかは古代より国家の最大の政策目標の一つであった。新中国においても、全国民の食糧確保のための農業振興は、中国共産党にとって統治の正当性を示す重要な事項であった。この農業技術で世界的な業績と言われるのが、袁隆平によるハイブリッド米の開発である。
ウシ・インスリン合成~鈕経義と鄒承魯
はじめに ウシ・インスリン合成プロジェクトは、中国の集団での研究開発成果として有名である。ここでは、プロジェクトの概要を述べるとともに、プロジェクトに係わった代表的な研究者として鈕経義(ちゅうけいぎ、1920年~19 […]
ロバート・チャン(銭沢南)
ロバート・チャン(銭沢南 、1949年~)カリフォルニア大学バークレー校教授は、香港生まれの生化学者で、真核生物の転写に関する研究で知られている。2009年から2016年までハワード ヒューズ医学研究所理事長も務めた。
アンドリュー・チーチー・ヤオ(姚期智)
アンドリュー・チーチー・ヤオ(姚期智、1946年~)清華大学教授は、2021年に京都賞を受賞した。米国で博士号を取得し、米国で優れた研究成果を挙げた。近年米国の職と国籍を棄てて中国に戻り、清華大学教授となった。台湾、香港ともつながりがある。
量子科学の潘建偉氏に期待
中国人研究者とノーベル賞について、日本国際貿易促進協会が旬刊誌として発行している「国際貿易」の2023年2月15日号に投稿した記事を、一部修正の上で紹介する。
呉健雄(Chien-Shiung Wu)
呉健雄は、李政道と楊振寧が提案した素粒子理論の仮説に関し、実証実験のチームを立ち上げて仮説の実証に成功し、ノーベル賞受賞に大きな貢献をした在米中国系女性科学者である。残念ながら両名と同時受賞とはならなかったが、その後も物理学の発展に寄与し、また新中国の科学技術振興に貢献しており、これらの功績から「中国のキュリー夫人」とも呼ばれている。
イオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei、貝聿銘)
イオ・ミン・ペイは、パリにあるルーブル美術館のピラミッドを設計した建築家である。ペイは、1983年に、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞している。
楊振寧 (Chen-Ning Yang)
楊振寧は李政道とともに、素粒子間の弱い相互作用においてはパリティ(対称性)が保存されないとの理論を提唱し、1957年のノーベル物理学賞を共同受賞した。