ロジャー・チェン(Roger Tsien)
ロジャー・チェンは2008年に、GFPを発見した日本の下村脩や米国のマーティン・チャルフィーとともに、「緑色蛍光タンパク質の発見と開発」の功績によりノーベル化学賞を受賞した。
デボラ・ジン(Deborah Jin)
デボラ・ジン(金秀蘭)は、米国生まれの中国系女性研究者で、フェルミ凝縮などの研究によりトムソン・ロイター引用栄誉賞(2015年)などを受賞してノーベル物理学賞受賞が期待されたが、惜しくも2016年に46歳の若さで逝去した。
金怡濂(Yilian Jin、1929年~)
世界では、日本、米国と並んで中国がスパコン開発の中心国である。金怡濂は、中国の工学者でスパコン「神威・太湖之光」の開発の指揮を執り、同機は計算速度で世界一の座を2年間維持した。
袁隆平(Longping Yuan、1930年~2021年)
袁隆平は、ハイブリッド米を開発した農学者である。桁外れの人口を擁している中国では、国民の食糧を如何にして確保するかは古代より国家の最大の政策目標の一つであった。新中国においても、全国民の食糧確保のための農業振興は、中国共産党にとって統治の正当性を示す重要な事項であった。この農業技術で世界的な業績と言われるのが、袁隆平によるハイブリッド米の開発である。
李方華(Fanghua Li、1932年~2020年)
李方華(李方华、1932年~2020年)は、ソ連のレニングラード大学に留学し、中国科学院物理研究所で電子顕微鏡の研究を行った女性物理学者であり、大阪大学にも留学して橋本初次郎教授に師事している。
テレンス・タオ (Terence Tao)
テレンス・タオは、オーストラリアで生まれた中国系の数学者で、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した。中国人には、歴史的に華僑などで国外に移住し現地で成功を収める例が多く、その子孫が科学技術方面で活躍した人もいる。
ウシ・インスリン合成~鈕経義と鄒承魯
はじめに ウシ・インスリン合成プロジェクトは、中国の集団での研究開発成果として有名である。ここでは、プロジェクトの概要を述べるとともに、プロジェクトに係わった代表的な研究者として鈕経義(ちゅうけいぎ、192 […]
フランク・シュー(徐遐生)
フランク・シュー(Frank H. Shu、1943年~2023年)は、恒星進化論や渦巻銀河の研究で成果を挙げた中国系米国人の天文学者であり、ブルースメダルやショウ賞を受賞した。
屠呦呦(Tu Youyou)
屠呦呦(Tu Youyou、1930年~)が、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞したとの朗報が、中国科学界にもたらされた。屠呦呦は、中国に生まれ、中国のみで教育を受け、中国で研究活動を行った研究者として、初めての受賞であった。
シャンファ・テン(滕尚華)
シャンファ・テン(滕尚華、1964年~)南カリフォルニア大学教授は、計算機科学を大きく発展させた数学者の一人であり、計算機科学の最高賞であるゲーデル賞を2度受賞している。数学分野であるためノーベル賞の受賞は難しいと考えられる。
イータン・チャン(張益唐)
イータン・チャン(Yitang Zhang、張益唐、1955年~)は、文化大革命の荒波に翻弄されるもなんとか北京大学を卒業し、恩師の計らいで米国留学を果たす。米国でも不運に遭遇しつつも、優れた論文を発表して米国数学界で頭角を著した。
タクワー・マク(麦徳華)
タクワー・マク(1946年~)トロント大学教授は、カナダで免疫学者として活躍し、T細胞受容体の研究でガードナー国際賞やキング・ファイサル国際賞を受賞した免疫学者である。
ゼナン・バオ(鲍哲南)
ゼナン・バオ(鲍哲南、Zhenan Bao、1970年~)スタンフォード大学教授は、人工皮膚(電子皮膚)の研究で成果を挙げている中国系の女性研究者である。2022年のクラリベートアナリティックス社の引用栄誉賞・化学部門を受賞しており、ノーベル化学賞受賞候補者の一人である。
バージニア・リー(李文渝)
バージニア・リー(李文渝、1945年~)は、夫で共同研究者であるトロジャノフスキーとともに、神経変性疾患を引き起こす特定のタンパク質研究で成果を挙げた。リーは2022年の引用栄誉賞を受賞し、ノーベル賞受賞に最も近い中国系の科学者の一人となっている。
ホンジェ・ダイ(戴宏傑)
ホンジェ・ダイ(戴宏傑、1966年~)スタンフォード大学教授は、ナノテクノロジー、カーボン・ナノチューブを専攻分野とする、中国系の研究者である。2020年にクラリベートアナリティックス社の引用栄誉賞・物理学分野を受賞しており、ノーベル物理学賞の候補者である。