国家衛生健康委員会、国家中医薬管理局、国家市場監督管理総局、国家薬品監督管理局

国家衛生健康委員会

 国家衛生健康委員会(国家卫生健康委员会、National Health Commission)は、国民の健康、医療、疾病対策などを所管しており、日本の旧厚生省に当たる。国家衛生健康委員会は、かつて衛生部と呼ばれていたが、2013年に国家健康・家族計画委員会となり、さらに2018年に現在の名称となった。

 科学技術関係では、ライフサイエンス全般を担当しているが、中国伝統の医療・薬品は国家衛生健康委員会が管理する国務院の独立した国家局である国家中医薬管理局が担当し、薬品の安全規制は国家市場監督管理総局が管理する国務院の独立した国家局である国家薬品監督管理局が担当している。

 国家衛生健康委員会は、直轄組織として中国医学科学院・北京協和医学院、北京協和医院、中国疾病予防制御センターなどを有している。

・国家衛生健康委員会HP http://www.nhc.gov.cn/ 

国家中医薬管理局

 国家中医薬管理局(国家中医药管理局)は国務院にある独立した機関であるが、他の部や委員会の監督を受ける機関の一つであり、国家衛生健康委員会の監督を受ける。

 同局の具体的な任務は、中国医学や漢方薬の発展のための政策の策定、中国医学による治療・予防・健康管理・リハビリテーション・臨床治療の管理、中国医学と西洋医学の統合の調整、中国医学や漢方薬の科学的な解明などである。傘下に中国中医科学院を所管している。

・国家中医薬管理局HP http://www.natcm.gov.cn/

国家市場監督管理総局

 国家市場監督管理総局(国家市场监督管理总局)は、国務院の直属機構として2019年3月に設置された新しい役所である。中国政府の構造改革の一環で、会社の設立や商標の登録などを司っていた国家工商行政管理総局の業務や商務部などにあった独禁法関連の業務などに併せて、食品と医薬品の安全性管理を行う国家食品薬品監督管理総局の機能を国家市場監督管理総局へ移管している。

 科学技術に関係する業務としては、食品と医薬品の安全性管理があるが、このうち食品の安全業務はこの総局で直接実施しており、医薬品の安全業務については国家薬品監督管理局で実施している。食品の安全業務は、中国国民にとっても関心の高い事項であることもあり、国務院内の諮問機関として食品安全委員会が設置されており、同総局が事務局を担っている。

・国家市場監督管理総局HP https://www.samr.gov.cn/

国家薬品監督管理局

 国家薬品監督管理局(国家药品监督管理局)は国務院にある独立した機関であるが、他の部や委員会の監督を受ける機関の一つであり、国家市場監督管理総局の監督を受ける。元々は「国家食品薬品監督管理総局」で、食品の安全性と医薬品の安全性の両方の業務を実施していたが、2019年の行政改革でこれらの業務が国家市場監督管理総局に移行し、そのうちでも医薬品については国家薬品監督管理局として半ば独立した組織となった。主要業務は、漢方薬を含む薬品、医療機器、化粧品などの安全確認である。薬剤師の管理登録も行っている。

・国家薬品監督管理局HP  https://www.nmpa.gov.cn/

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