国務院の全体像と科学技術関連機関

 国務院は、中国の国家行政機関であり、諸外国の政府・内閣に相当する。
 中国では、中国共産党が国家を領導するとの憲法の規定があることや、主要幹部の実質的な人事権が中国共産党にあることなどのため、日本や米国など西側諸国の政府・内閣と大きく異なり、中国共産党が主体となって決定された政策を具体的に実施する執行機関的な色彩が強い。
 ただ、国務院の各部局は行政の最前面にいて政策立案のための知見や経験を多く有しており、科学技術を含めた個々の政策立案に際して中国共産党と情報提供などで協力し、必要に応じて共同で政策立案に当たっている。

 国務院の全体構成は次図の通りである。

国務院の全体構成

 国務院総理は、国務院のトップとして国務院の活動を指導し、行政全般を指揮・監督する。歴史的に、新中国建国直後に周恩来が総理に就任した政務院が国務院の前身であり、周恩来は1954年に政務院から国務院に改組された以降も1976年に死去するまで20年以上にわたり総理の任にあった。現在の国務院総理は、中国共産党序列第2位の李強である。
 国務院総理を補佐するために、副総理4名、国務委員5名が置かれている。国務院全般の事務を処理する機関として弁公庁があり、その責任者として秘書長1名が置かれている。秘書長は副総理または国務委員が兼任することになっており、2023年現在は国務委員の1人である呉政隆がその任にある。

 国務院の機関として、各国の省庁に相応する組成部門(26部門)のほか、直属特設機構(1機構)、直属機構(10機構)、弁事機構(2機構)、直属事業単位(9機構)、部・委員会が管理する国家局(16機構)がある。
 国務院の機関で、科学技術政策上重要な機関を抜き出して示したのが次図である。

国務院の化学技術関係部署

 上記の図で組成部門に属している機関は、国家発展改革委員会、科学技術部、教育部、工業・情報化部、国家衛生健康委員会、農業農村部、自然資源部、生態環境部、交通運輸部、応急管理部、外交部である。

 直属事業単位に属している機関は、中国科学院、中国社会科学院、中国工程院、中国気象局である。 また直属機構に属している機関は、国家市場監督管理総局である。
 部・委員会が管理する国家局 (国務院に直属するが他の部・委員会が管理する組織)は、国家エネルギー局、国家国防科技工業局、国家林業草原局、国家中医薬管理局、国家薬品管理監督局、国家知識産権局である。

・中央人民政府HP http://www.gov.cn/guowuyuan/index.htm

(この項目 了)