呉健雄(Chien-Shiung Wu)
呉健雄は、李政道と楊振寧が提案した素粒子理論の仮説に関し、実証実験のチームを立ち上げて仮説の実証に成功し、ノーベル賞受賞に大きな貢献をした在米中国系女性科学者である。残念ながら両名と同時受賞とはならなかったが、その後も物理学の発展に寄与し、また新中国の科学技術振興に貢献しており、これらの功績から「中国のキュリー夫人」とも呼ばれている。
イオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei、貝聿銘)
イオ・ミン・ペイは、パリにあるルーブル美術館のピラミッドを設計した建築家である。ペイは、1983年に、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞している。
楊振寧 (Chen-Ning Yang)
楊振寧は李政道とともに、素粒子間の弱い相互作用においてはパリティ(対称性)が保存されないとの理論を提唱し、1957年のノーベル物理学賞を共同受賞した。
李遠哲(Yuan Tseh Lee)
李遠哲は、台湾出身者として初めてノーベル賞を受賞した。李遠哲は日本国民として生まれ、小さいときには日本語で教育を受けている。大学院時代の恩師の一人も日本人であり、また現在においても日本とのつながりが深い科学者である。
ロジャー・チェン(Roger Tsien)
ロジャー・チェンは2008年に、GFPを発見した日本の下村脩や米国のマーティン・チャルフィーとともに、「緑色蛍光タンパク質の発見と開発」の功績によりノーベル化学賞を受賞した。
テレンス・タオ (Terence Tao)
テレンス・タオは、オーストラリアで生まれた中国系の数学者で、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した。中国人には、歴史的に華僑などで国外に移住し現地で成功を収める例が多く、その子孫が科学技術方面で活躍した人もいる。
屠呦呦(Tu Youyou)
屠呦呦(Tu Youyou、1930年~)が、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞したとの朗報が、中国科学界にもたらされた。屠呦呦は、中国に生まれ、中国のみで教育を受け、中国で研究活動を行った研究者として、初めての受賞であった。
シャンファ・テン(滕尚華)
シャンファ・テン(滕尚華、1964年~)南カリフォルニア大学教授は、計算機科学を大きく発展させた数学者の一人であり、計算機科学の最高賞であるゲーデル賞を2度受賞している。数学分野であるためノーベル賞の受賞は難しいと考えられる。
イータン・チャン(張益唐)
イータン・チャン(Yitang Zhang、張益唐、1955年~)は、文化大革命の荒波に翻弄されるもなんとか北京大学を卒業し、恩師の計らいで米国留学を果たす。米国でも不運に遭遇しつつも、優れた論文を発表して米国数学界で頭角を著した。
タクワー・マク(麦徳華)
タクワー・マク(1946年~)トロント大学教授は、カナダで免疫学者として活躍し、T細胞受容体の研究でガードナー国際賞やキング・ファイサル国際賞を受賞した免疫学者である。
ゼナン・バオ(鲍哲南)
ゼナン・バオ(鲍哲南、Zhenan Bao、1970年~)スタンフォード大学教授は、人工皮膚(電子皮膚)の研究で成果を挙げている中国系の女性研究者である。2022年のクラリベートアナリティックス社の引用栄誉賞・化学部門を受賞しており、ノーベル化学賞受賞候補者の一人である。
バージニア・リー(李文渝)
バージニア・リー(李文渝、1945年~)は、夫で共同研究者であるトロジャノフスキーとともに、神経変性疾患を引き起こす特定のタンパク質研究で成果を挙げた。リーは2022年の引用栄誉賞を受賞し、ノーベル賞受賞に最も近い中国系の科学者の一人となっている。