はじめに
上海高等研究院 (Shanghai Institute of Materia Medica) は、上海市浦東張江ハイテクパークにあり、2012年に中国科学院と上海市人民政府の協力により設置された。
先進的な光学装置、加速器科学、光子科学、エネルギー科学、情報科学などを研究開発している。

1. 名称
○中国語表記:上海高等研究院 略称 高研院
○日本語表記:上海高等研究院
○英語表記:Shanghai Advanced Research Institute 略称 SARI
2. 所在地
上海高等研究院の所在地は、上海市浦東新区張江高科技園区海科路99号である。
3. 沿革
上海高等研究院は、2012年に中国科学院と上海市人民政府共同で、浦東張江ハイテクパークに設置された。
4. 組織の概要
(1)研究分野
上海高等研究院は、先端光源大型科学施設の開発・建設・運営、加速器科学・光子科学・エネルギー科学・情報科学の革新研究・中核技術開発などを行っている。
(2)主な研究組織
上海高等研究院の主な研究組織(例示)は以下のとおりである。
・学際先端製造技術研究部(前沿与先进制造技术研究部)
・情報電子技術研究部(信息与电子技术研究部)
・宇宙海洋研究部(空间与海洋研究部)
・エネルギー環境技術研究部(能源与环境技术研究部)
・健康科学・技術研究部(健康科学与技术研究部)
5. 規模
(1)職員数
上海高等研究院の2021年現在の職員総数は948名で、中国科学院の中では第17位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)予算
上海高等研究院の2021年予算額は15億5,824万元で、中国科学院の中では第10位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)研究生
上海高等研究院の2021年現在の在所研究生総数は298名で、中国科学院内の30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
6. 研究開発力
(1)国家級実験室など
上海高等研究院は、国家重点実験室を有していない(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)大型研究開発施設
中国科学院は、同院や他の研究機関の研究者の利用に供するため大型の研究開発施設を有している(中国科学院内の設置状況詳細はこちら参照)。上海高等研究院は、上海国家タンパク質科学研究施設および上海光源の2施設を設置・運用している。
上海国家タンパク質科学研究施設(国家蛋白质科学研究(上海)设施)は、ハイスループット、高精度、大規模なタンパク質生産と精製、構造分析、機能研究の機能を備えていて、バイオ医学、現代農業などを支援している。設置場所は上海市浦東新区で、2015年に運用を開始した。

もう一つの上海光源は第3世代のシンクロトロン放射光施設で、150MeV電子線形加速器、エネルギーブースター、電子蓄積リング、ビームラインなどからなる。 2010年から運用を開始しており、生命科学、材料科学、凝縮系物理学、環境科学など多くの分野の研究に利用されている。設置場所は上海市浦東新区である。

(3)NSFC面上項目獲得額
上海高等研究院のNSFC一般プログラム獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランク外である。(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
7. 研究成果
(1)Nature Index
Nature Index2022では、中国科学院内で第15位であり、論文数は25.16である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)特許出願数
2021年の特許出願数は814件で、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)成果の移転収入
2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(4)両院院士数
2024年2月時点で所属する両院の院士は3名であり、中国科学院内のランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(2名):沈文庆、李儒新
〇中国工程院院士(1名):赵振堂
参考資料
・上海高等研究院HP http://www.sari.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編