はじめに
フランク・シュー(Frank H. Shu、1943年~2023年)は、恒星進化論や渦巻銀河の研究で成果を挙げた中国系米国人の天文学者であり、ブルースメダルやショウ賞を受賞した。

生い立ちと教育
フランク・シュー(Frank H. Shu、徐遐生)は、1943年に雲南省昆明で生まれた。
父・徐賢修(徐贤修、Shu Shien-Siu)は、シューが生まれた時には清華大学、北京大学、南開大学が日中戦争の戦火を逃れて昆明に疎開した国立西南連合大学の講師であった。父・徐賢修はその後米国に留学し、台湾に戻って国立清華大学の学長や工業技術研究院理事長などを務めている。
シューは、1948年に家族とともに台湾に渡り、翌1949年に父・徐賢修のいる米国に渡って基礎教育を受けた。
シューは、1963年にマサチューセッツ工科大学物理学科を卒業した。同校在学中に、銀河の渦巻腕に関する理論(密度波理論)を構築している。
シューは、1968年にハーバード大学で天文学によりPhDを取得した。
カリフォルニア大学バークレー校の教授に就任
フランク・シューは、PhD取得後にニューヨーク州立大学ストーニ―ブルック校の助教授(assistant professor)に就任し、1971年には准教授(associate professor)となった。
シューは、1973年にカリフォルニア大学バークレー校に移り、1976年に同校の正教授となった。
銀河形成理論などで成果
フランク・シューは、隕石の起源、誕生直後の星の進化(恒星進化論)、渦巻銀河の構造など、天文学の幅広い分野における理論的研究に関する研究を行った。
シューは、渦巻銀河の構造を説明する密度波理論を提唱した。
1977年にシューは、「インサイドアウト」崩壊モデル或いは「特異等温球」モデルとして知られる星形成モデルを発表した。このモデルでは、巨大な分子雲の重力崩壊によって星が形成されるメカニズムを構築した。
著名な国際賞などを受賞
フランク・シューは1987年に、米国科学アカデミー(NAS)の会員になった。
シューは1990年に、台湾の中央研究院の院士となった。
シューは2000年に、ハイネマン賞天体物理学部門(Dannie Heineman Prize for Astrophysics )を受賞した。ハイネマン賞は、エンジニア・企業経営者であったダニー・ハイネマン(Dannie Heineman)を記念して授与される賞である。
シューは2009年に、ブルースメダルを受賞した。ブルース・メダル(Catherine Wolfe Bruce gold medal)は、天文学の分野に貢献した科学者に対して太平洋天文学会が授与する賞である。
シューは同じく2009年に、ショウ賞を受賞した。ショウ賞生命科学部門を受賞した。受賞理由は「理論天文学における生涯にわたる多大な貢献」であった。ショウ賞は、香港のメディア王であるランラン・ショウ(邵逸夫)に因む賞である。
父と同じく国立清華大学学長に就任
フランク・シューは、1984年から1988年までカリフォルニア大学バークレー校天文学科長を務めた。
シューは、1994年から1996年まで、米国天文学会会長を務めた。
シューは2002年に台湾に戻り、父が1970年から1981年まで務めた国立清華大学の学長に就任した。
国立清華大学(國立清華大學、National Tsing Hua University)は、大陸から台湾に逃れてきた清華大学の関係者によって1955年に新竹市に再興された大学である。

フランク・シューは、2023年に亡くなった。享年79歳であった。
参考資料
・AAS Dannie Heineman Prize for Astrophysics
https://aas.org/grants-and-prizes/dannie-heineman-prize-astrophysics
・ASP Past recipients of the Bruce Medal
https://astrosociety.org/who-we-are/awards/catherine-wolfe-bruce-gold-medal.html/title/past-recipients-of-the-bruce-medal
・The Shaw Prize 2009 Astronomy Frank H Shu (1943-2023)
https://www.shawprize.org/prizes-and-laureates/shaw-laureates/