はじめに
上海有機化学研究所(上海有机化学研究所、Shanghai Institute of Organic Chemistry)の前身は、国民政府時代の1928年に設置された中央研究院化学研究所である。新中国建国後、中国科学院に接収されて、有機化学研究所となった。1970年に上海有機化学研究所となり、現在に至っている。
高分子化学などの有機化学、抗生物質の開発などを行っている。

1. 名称
○中国語表記:上海有机化学研究所 略称 上海有机所
○日本語表記:上海有機化学研究所
○英語表記:Institute of Geographic Sciences and Natural Resources Research 略称 SIOC
2. 所在地
上海有機化学研究所の所在地は、上海市徐匯区零陵路345号である。
3. 沿革
上海有機化学研究所(上海有机化学研究所、Shanghai Institute of Organic Chemistry)の前身は、国民政府時代の1928年に中央研究院化学研究所として設置された。新中国建国後、中国科学院に接収されて、有機化学研究所となった。1970年に上海有機化学研究所となり、現在に至っている。
4. 組織の概要
(1)研究分野
上海有機化学研究所は、高分子化学などの有機化学、抗生物質の開発などを行っている。中国の科学技術レベルを世界に示した、1966年の牛インスリンの人工合成にも大きく貢献している。
(2)主な研究組織
上海有機化学研究所の主な研究組織は以下のとおりである。
・生物有機化学国家重点実験室(生命有机化学国家重点实验室)
・有機金属化学国家重点実験室(金属有机化学国家重点实验室)
・中国科学院フッ素化学重点実験室(中国科学院氟化学重点实验室)
・中国科学院天然物有機合成重点実験室(中国科学院天然产物有机合成化学重点实验室)
・中国科学院有機機能分子合成・組立化学重点実験室(中国科学院有机功能分子合成与组装化学重点实验室)
・中国科学院エネルギー制御材料重点実験室(中国科学院能量调控材料重点实验室)
5. 研究所の規模
(1)職員数
2021年現在の職員総数は540名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)予算
2021年予算額は7億4,881万元で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)研究生
2021年現在の在所研究生総数は713名で、中国科学院の中では第21位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
6. 研究開発力
(1)国家級実験室など
2つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
・生物有機化学国家重点実験室(生命有机化学国家重点实验室):1992年に設置された。有機合成、構造分析、物理有機化学、分子生物学、細胞生物学、分子薬理学などを用いて生物学的活性を持つ小有機分子を作製し、この有機分子と生物高分子との相互作用を研究している。
・有機金属化学国家重点実験室(金属有机化学国家重点实验室):1989年に設置された。新しい金属有機化合物を設計・合成し、その構造と反応特性を研究している。
(2)NSFC面上項目獲得額
NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
7. 研究成果
(1)Nature Index
Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)特許出願数
2021年の特許出願数は99件で、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)成果の移転収入
2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(4)両院院士数
2025年4月時点で所属する両院の院士は9名(うち1名は中国出身であるが米国籍であるため外籍院士である)であり、中国科学院全体で第9位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(9名):林国强、麻生明、丁奎岭、唐勇、马大为、俞飚、袁钧瑛(米国籍、外籍院士)、卿凤翎、游书力
参考資料
・上海有機化学研究所 HP https://sioc.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編