はじめに

 浙江大学第一医院は、日中戦争中に貴州省遵義に疎開していた浙江大学が、大戦後の1946年に浙江省杭州に戻り、翌1947年に浙江大学医学院の臨床医院として設置した。

浙江大学第一医院の写真
浙江大学第一医院  同医院のHPより引用

1. 名称

○中国語表記:浙江大学医学院附属第一医院  浙大一院
○日本語表記:浙江大学医学院附属第一医院  浙大一院
○英語表記:The First Affiliated Hospital, Zhejiang University School of Medicine FAHZU

2. 所管

 浙江大学第一医院は、浙江大学医学院に属し、同医学院の臨床医院である。

 浙江大学は、清末の1897年に開設された求是書院を源とし、古い歴史を有する大学である。1952年の院系調整で医学院は独立したが、1998年に4大学が合併して新・浙江大学となった際、医学院を再度持つことになった。

3. メインの所在地

 浙江大学第一医院の本院の建物は、浙江省杭州市余杭区文一西路1367号にある。

4. 沿革

(1)第二次大戦後に設置

 浙江大学第一医院は、日中戦争中に貴州省遵義に疎開していた浙江大学が1946年に浙江省杭州に戻り、翌1947年に浙江大学医学院の臨床医院として設置された。設立時の名称は、浙江大学医学院附属医院であり、「弄堂医院:路地裏医院」とも呼ばれた小さな医院であった。

 浙江大学第一医院の設置に尽力したのは、当時浙江大学の学長であった竺可楨である。竺可楨は中国の気象学の発展に貢献した科学者であり、日中戦争開戦前の1936年に浙江大学学長に就任した。日中戦争で浙江省杭州にも戦火が迫ったため、いくつかの都市を経由して、貴州省遵義市に大学を疎開させ、日中戦争勝利後に今度は杭州に戻る指揮を執った。

(2)院系調整で浙江大学から分離

 1952年の大学・学部再編政策である院系調整により、浙江大学医学院は浙江大学から分離され浙江省立医学院と合併して浙江医学院となった。これに伴い、浙江大学医学院附属医院は浙江医学院の臨床医院の1つとなり、名称も浙江医学院第一附属医院と改名した。
 なお、浙江医学院が出来た際、英国キリスト教団体が1869年に設置した公済医院を母体とする浙江省立医学院附属医院も、浙江医学院の臨床医院となり名称を浙江医学院第二附属医院とした。これは現在の浙江大学第二医院である。

(3)新・浙江大学に戻る

 1998年に旧浙江大学が、浙江医科大学(1960年に浙江医学院から改名)、杭州大学、浙江農業大学と合併し、新たな浙江大学となったことにより、臨床医院も医科大学と同様に新・浙江大学に移り、医院の名称は浙江大学医学院附属第一医院となった。 

5. 分院の有無

 浙江大学第一医院のHPによれば、同医院は杭州市余杭区にある本院の他、次の分院がある。

○慶春院区:浙江省杭州市上城区慶春路79号
○之江院区:浙江省杭州市西湖区梧桐路366号
○城站院区:杭州市上城区城站路58号

6. 規模など

(1)規模

 浙江大学第一医院のHPなどによれは、同医院の規模は次の通りである。
○病床数:全体で約5,000床
○スタッフ:全体で約10,000名

(註)病床数を日本と比較すると、2021年7月時点で日本最大のベッド数を有するのは愛知県豊明市にある藤田医科大学病院の1,435床であり、東京では東京大学附属病院が1,226床を有し日本第3位である。
 東京大学付属病院の職員数を見ると、全体で4,273人(2023年4月現在、短時間有期雇用職員等を含む)となっている。

(2)科学研究施設

 浙江大学第一医院は、次の国家的な施設を有している。
○感染症疾病国家臨床医学研究中心(感染症疾病国家临床医学研究中心)

(3)評価

 復旦大学の医院管理研究所による中国医院ランキング(2022年)での評価は次の通りである。ランキング全体は、こちらを参照されたい。
○総合順位:満点が100点のところ、35.991点で全国10位  1位は北京協和医院で95.301点   
○医療評価:満点が80点のところ、21.742点で全国11位  1位は北京協和医院で80点
○学術評価:満点が20点のところ、14.249点で全国6位  1位は四川大学華西医院で20点

参考資料

・浙江大学医学院附属第一医院HP https://www.zy91.com/main
・浙江大学医学院HP http://www.cmm.zju.edu.cn/
・東京大学付属病院HP https://www.h.u-tokyo.ac.jp/