はじめに
上海技術物理研究所(上海技术物理研究所、Shanghai Institute of Technical Physics)は、1958年に光学技術やハイテク技術の総合研究機関として設置された。
赤外線物理学、赤外線光電材料、航空宇宙分野の赤外線利用技術、リモートセンシング技術などを研究している。

1. 名称
○中国語表記:上海技术物理研究所 略称 上海技物所
○日本語表記:上海技術物理研究所
○英語表記:Institute of Geographic Sciences and Natural Resources Research 略称 SITP
2. 所在地
上海技術物理研究所の所在地は、上海市虹口区玉田路500号である。
3. 沿革
上海技術物理研究所は、1958年に復旦大学の協力を得て、光学を中心とした基礎研究とハイテク技術の産業化を目指す総合型研究機関として設置された。
4. 組織の概要
(1)研究分野
上海技術物理研究所は、先端航空宇宙分野の赤外線信号映像やリモートセンシング信号情報への応用を目指して、赤外線物理学、デジタル技術研究、赤外線光電材料などの研究を進めている。
(2)主な研究組織
上海技術物理研究所の主な研究組織は以下のとおりである。
・赤外線物理国家重点実験室(红外物理国家重点实验室)
・センサー国家重点実験室(传感技术联合国家重点实验室)主体は上海マイクロシステム・情報技術研究所と電子学研究所であり、その一部を上海技術物理研究所が担当している。
・中国科学院赤外線イメージング材料・デバイス重点実験室(中国科学院红外成像材料与器件重点实验室)
・中国科学院赤外線検出・イメージング技術重点実験室(中国科学院红外探测与成像技术重点实验室)
・中国科学院宇宙能動光電子技術重点実験室(中国科学院空间主动光电技术重点实验室)
5. 研究所の規模
(1)職員数
2021年現在の職員総数は1,337名で、中国科学院の中で第9位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)予算
2021年予算額は18億6,530万元で、中国科学院の中では第9位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)研究生
2021年現在の在所研究生総数は418名で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
6. 研究開発力
(1)国家級実験室など
2つの国家重点実験室(うち1つは一部のみを担当)を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
・赤外線物理国家重点実験室(红外物理国家重点实验室):1985年に設置された。地球情報科学の基礎理論と手法の開発を目的とし、データ・モデル・ソフトウェア・システムを統合的に研究している。
・センサー技術連合国家重点実験室(传感技术联合国家重点实验室):1985年に設置された。地球情報科学の基礎理論と手法の開発を目的とし、データ・モデル・ソフトウェア・システムを統合的に研究している。主体は上海マイクロシステム・情報技術研究所と電子学研究所であり、その一部を上海技術物理研究所が担当している。
(2)NSFC面上項目獲得額
NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
7. 研究成果
(1)Nature Index
Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(2)特許出願数
2021年の特許出願数は173件で、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(3)成果の移転収入
2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
(4)両院院士数
2025年2月時点で所属する両院の院士は9名であり、中国科学院全体で第9位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(7名):匡定波、沈学础、薛永祺、陈桂林、褚君浩、王建宇、孙胜利
○中国工程院院士(2名):龚惠兴、方家熊
参考資料
・上海技術物理研究所 https://sitp.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編