十四条の意見の公表(1961年)

 十四条の意見(正式名称:「自然科学研究機関の当面の活動に関する十四条の意見(草案):关于自然科学研究机构当前工作的十四条意见(草案)」)は、大躍進政策やその後の天災などの影響で苦境に陥った科学技術の秩序回復を目指して公表された中国共産党の政策である。

十四条の意見公表の背景

 1958年の大躍進運動やその後の天災などにより、中国の経済社会は大きな苦境に陥った。

 これを克服するために作成された政策的文書が農業分野の「農業六十条」であり、続いて1961年7月に中国共産党中央委員会により発表されたのが「自然科学研究機関の当面の活動に関する十四条の意見(草案):关于自然科学研究机构当前工作的十四条意见(草案)」である。

 この十四条の意見は、科学研究機関の秩序を回復し、科学レベルを改善する役割を果たした。

十四条の意見の主な内容

 十四条の意見で最も重要な点は、次の4つである。

・研究機関の使命は研究成果を出し、人材を養成することである。
・極端な政治的な圧力から科学者を尊重・保護する。
・中国共産党党員は党員以外の科学者の意見を尊重しなければならない。
・政治と学術、思想と研究活動を区別すべきである。

 つまり、共産党や政府の科学技術や学術活動に対する過度な干渉を戒めるものであったが、これは当時の政治状況の中では十分に生かされず、さらに文化大革命が勃発したことにより効力はほとんどなかった。

参考資料

・360百科HP 科学十四条 https://upimg.baike.so.com/doc/7683663-7957758.html
・农权法律网HP 『中共中央同意聂荣臻《关于当前自然科学工作中若干政策问题的请示报告》和国家科委党组、中国科学院党组《关于自然科学研究机构当前工作的十四条意见(草案)》的报告