はじめに

 工程熱物理研究所 (工程热物理研究所、Institute of Engineering Thermophysics)の前身は、1956年に設置された中国科学院動力研究室であり、1980年に工程熱物理研究所となり、現在に至っている。

 水素エネルギーの変換と利用、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクル、適応性の高い熱機能材料とデバイス、インテリジェントネットワークパトロールシステム、宇宙システム、微小重力燃焼などを研究している。

工程熱物理研究所の写真
工程熱物理研究所 同研究所のHPより引用

 1. 名称

○中国語表記:工程热物理研究所  
○日本語表記:工程熱物理研究所
○英語表記:Institute of Engineering Thermophysics  略称 IET

2. 所在地

 工程熱物理研究所の所在地は、北京市北四環西路11号である。

3. 沿革

 工程熱物理研究所の前身は、1956年に設置された中国科学院動力研究室である。
 同研究室は1961年に、中国科学院力学研究所に併入され、1980年に工程熱物理研究所として独立して、現在に至っている。

4. 組織の概要

(1)研究分野

 工程熱物理研究所は、エネルギーの低炭素燃焼利用、分散型エネルギーシステムとエネルギー貯蔵、先進的な電力設備、高高度長距離飛行UAV技術を主要方向とし、水素エネルギーの変換と利用、超臨界二酸化炭素ブレイトンサイクル、適応性の高い熱機能材料とデバイス、インテリジェントネットワークパトロールシステム、宇宙システム、微小重力燃焼などを研究している。

(2)主な研究組織

 工程熱物理研究所の主な研究組織は以下のとおりである。

・国家エネルギー風力発電ブレード研究開発(実験)センター(国家能源风电叶片研发(实验)中心)
・中国科学院先進エネルギー・電力重点実験室(中国科学院先进能源动力重点实验室)
・中国科学院風力エネルギー利用重点実験室(中国科学院风能利用重点实验室)
・中国科学院光エネルギー重点実験室(中国科学院轻型动力重点实验室)
・中国科学院エネルギー・電力センター(中国科学院能源动力中心)

5. 規模

(1)職員数

 2021年現在の職員総数は522名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)予算

 2021年予算額は10億2,788万元で、中国科学院の中で第25位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)研究生

 2021年現在の在所研究生総数は330名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

6. 研究開発力

(1)国家級実験室など

 工程物理研究所は国家重点実験室的な施設を1つ有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

国家エネルギー風力発電ブレード研究開発(実験)センター(国家能源风电叶片研发(实验)中心):2009年に設置した。メガワット以上の大型および超大型風力タービンブレードの設計、製造、プロセス技術を中心としたコアテクノロジーの開発を行っている。

(2)NSFC面上項目獲得額

 NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中で20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

7. 研究成果

(1)Nature Index

 Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)特許出願数

 2021年の特許出願数は320件で、中国科学院内の第18位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)成果の移転収入

 2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(4)両院院士数

 2025年4月時点で所属する両院の院士は3名であり、中国科学院内の19位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(3名):徐建中、金红光、朱俊强

参考資料

・工程熱物理研究所HP http://www.iet.cas.cn/   
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編