はじめに
中国気象局(中国气象局、China Meteorological Administration)は、中国国務院の直属事業単位の一つであり、中国の気象・気候業務を担当している。日本の気象庁に近い組織であるが、地震防災の担当は国務院応急管理部が監督する中国地震局である。
国務院の直属事業単位(直属事业单位)とは、国務院に直属した独立組織であり、科学技術部のような組成部門(日本の各省に相当)ではないが、一定の行政的な権能を有する組織である。他に中国科学院、中国工程院などがある。

1. 名称
〇中国語:中国气象局
〇日本語:中国気象局
〇英語:China Meteorological Administration 略称:CMA
2. 所在地
中国気象局の本部は、北京市海淀区中関村南大街46号にある。北京市の中心地である天安門の約10キロメートルほど北西に行ったところにあり、近くには紫竹院公園や北京動物園がある。
なお、中国国内の各省・直轄市などに、気象観測などを行う気象局があるが、これらは各地方行政府などと中国気象局との二重管理となっている。2025年現在で、省・自治区・直轄市の気象局が31か所、地(市、州、連盟)気象局が330か所、県(市、旗)気象局が2,170か所などとなっている。
3. 沿革
(1)中央軍事委員会気象局
中国気象局の前身は、1949年に中央軍事委員会に設置された気象局である。翌1950年には直轄の組織として中央気象台が設置された。
(2)国務院中央気象局
1953年に、軍の組織から中央政府である国務院に移管され、国務院の直属機構・中央気象局となった。
(3)中国気象局
1982年に、中央気象局から中国気象局に名称が変更された。
1994年に中国気象局は、国務院の直属機構から直属事業単位に変更された。
4. 任務
気象・気候予報、干ばつ監視・予報、雷対策、農業気象、人工気象変動監視などの業務を実施し、工業、農業、漁業、商業、エネルギー、運輸、建設、林業、水利、土地資源、海洋、環境保護、観光、航空、消防などの分野に貢献している。
5. 組織
(1)幹部と内部部局
中国気象局のトップは局長であり、副大臣(副部長)クラスである。現在の局長は陳振林(1968年~)であり、南京気象学院を卒業して気象関係の業務に従事してきた人物である。世界気象機関(WMO)の理事も兼ねている。
内部部局のうち、科学技術に関係すると思われる組織は次のとおりである。
・応急災害軽減・公共サービス司(应急减灾与公共服务司)
・予報・ネットワーク司(预报与网络司)
・総合観測司(综合观测司)
・科学技術・気候変化司(科技与气候变化司)
・国際協力司(国际合作司)
(2)直轄組織
多くの直轄組織を有しているが、その中で重要と考えられる組織は次のとおりである。
・国家気象センター(国家气象中心、通称中央気象台)
・国家気候センター(国家气候中心)
・中国気象科学研究院
・国家衛星気象センター(国家卫星气象中心)
(3)地方の気象観測組織
なお、中国国内の各省・直轄市などに、気象観測などを行う気象局があるが、これらは各地方行政府などと中国気象局との二重管理となっている。2025年現在で、省・自治区・直轄市の気象局が31か所、地(市、州、連盟)気象局が330か所、県(市、旗)気象局が2,170か所などとなっている。
これらを含め、現在の職員数は72,834名であり、その中には中国科学院と中国工程院の院士が9名存在している。
参考資料
・中国気象局HP https://www.cma.gov.cn/
・維基百科HP 中国气象局 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%B0%94%E8%B1%A1%E5%B1%80