はじめに

 瀋陽自動化研究所 (沈阳自动化研究所、Shenyang Institute of Automation) は、遼寧省瀋陽市にある中国科学院の附属研究機関であり、1958年に設立された。

 ロボット工学、インテリジェント製造、光電子情報技術などの研究開発を行っている。

瀋陽自動化研究所の写真
瀋陽自動化研究所 同研究所HPより引用

1. 名称

○中国語表記:沈阳自动化研究所  略称 沈阳自动化所
○日本語表記:瀋陽自動化研究所
○英語表記:Shenyang Institute of Automation  略称 SIACAS

2. 所在地

 瀋陽自動化研究所の所在地は、遼寧省瀋陽市渾南区創新路135号である。

3. 沿革

 瀋陽自動化研究所は、1958年に中国科学院の傘下研究機関として設置された。
 文化大革命の際に国防科学技術委員会の下部機関に移ったが、1970に中国科学院に戻っている。

4. 組織の概要

(1)研究分野

 瀋陽自動化研究所の主な研究分野は、ロボット工学、産業用ロボット、水中ロボット、宇宙ロボットと自動化、特殊ロボット、先進的な光電子技術とシステム、無線センシングと通信技術、ロボット化されたプロセス設備とインテリジェント生産ラインの研究開発などである。

(2)主な研究組織

 瀋陽自動化研究所の主な研究組織は以下のとおりである。
・ロボット工学国家重点実験室(机器人学国家重点实验室)
・国家ロボット工学(机器人技术国家工程研究中心)
・国家ロボットイノベーションセンター(国家机器人创新中心)

5. 研究所の規模

(1)職員数

 瀋陽自動化研究所の2021年現在の職員総数は1,309名で、中国科学院の中では第10位に位置する(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)予算

 瀋陽自動化研究所の2021年予算額は39億4,915万元で、中国科学院の中では第2位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)研究生

 瀋陽自動化研究所の2021年現在の在所研究生総数は502名で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

6. 研究開発力

(1)国家級実験室など

 1つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

ロボット工学国家重点実験室(机器人学国家重点实验室):知覚、思考、行動能力を備えた高度なロボットシステムの開発を主目的としており、ロボット工学の基礎理論的手法、キーテクノロジー、ロボットシステム統合技術、ロボット応用技術などを研究している。

(2)NSFC面上項目獲得額

 NSFC一般プログラム獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランク外である。(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

7. 研究成果

(1)Nature Index

 Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)特許出願数

 2021年の特許出願数は471件で、中国科学院内で第11位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)成果の移転収入

 2021年研究成果移転収入は247.57億元で、中国科学院内で第4位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(4)両院院士数

 2024年2月時点で所属する両院の院士は3名であり、中国科学院全体でランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
○中国工程院院士(3名):王天然、封锡盛、于海斌

参考資料

・瀋陽自動化研究所HP https://sia.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編