はじめに

 音響学研究所 (声学研究所、Institute of Acoustics)は、中国科学院電子学研究所の研究室や地方の研究点を分離独立させる形で、1964年に北京に設置された。

 水中音響物理学、水中音響検出技術、環境音響・騒音制御技術、超音波・音響マイクロ電気機械技術、通信音響・言語音声情報処理技術、音響・デジタルシステム統合技術、高性能ネットワーク技術、新メディア技術などを研究している。

音響学研究所の写真
音響学研究所 同研究所のHPより引用

 1. 名称

○中国語表記:声学研究所  略称 声学所
○日本語表記:音響学研究所
○英語表記:Institute of Acoustics  略称 IOA

2. 所在地

 音響学研究所の所在地は、北京市海淀区北四環西路21号である。

3. 沿革

 音響学研究所は、中国科学院電子学研究所の3研究室(水中音響学、超音波、建築音響学)や地方の3研究点(南海、東海、北海)を分離独立させる形で、1964年に北京に設置された。

4. 組織の概要

(1)研究分野

 音響学研究所は、海洋、国防、エネルギー、生命・健康、情報ネットワークなどへの利用を念頭に、水中音響物理学、水中音響検出技術、環境音響・騒音制御技術、超音波・音響マイクロ電気機械技術、通信音響・言語音声情報処理技術、音響・デジタルシステム統合技術、高性能ネットワーク技術、新メディア技術などを研究している。

(2)主な研究組織

 音響学研究所の主な研究組織は以下のとおりである。

・音響場・音響情報国家重点実験室(声场与声信息国家重点实验室)
・国家ネットワーク・ニューメディア工学技術研究センター(国家网络新媒体工程技术研究中心)
中国科学院水中音響環境特性重点実験室(中国科学院水声环境特性重点实验室)
・中国科学院騒音・振動重点実験室(中国科学院噪声与振动重点实验室)
・中国科学院言語音響・コンテンツ理解重点実験室(中国科学院语言声学与内容理解重点实验室)

5. 規模

(1)職員数

 音響学研究所の2021年現在の職員総数は862名で、中国科学院の中で第21位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)予算

 音響学研究所の2021年予算額は20億5,097万元で、中国科学院の中で第6位である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)研究生

 音響学研究所の2021年現在の在所研究生総数は565名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

6. 研究開発力

(1)国家級実験室など

 音響学研究所は、1つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

音響場・音響情報国家重点実験室(声场与声信息国家重点实验室):1990年から研究を行っている。水中音響学、超音波学、航空音響学を研究している。

(2)NSFC面上項目獲得額

 NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中で20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

7. 研究成果

(1)Nature Index

 Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)特許出願数

 2021年の特許出願数は153件で、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)成果の移転収入

 2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(4)両院院士数

 2024年2月時点で所属する両院の院士は4名であり、中国科学院内の19位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。
〇中国科学院院士(4名):张仁和、侯朝焕、李启虎、汪承灏

参考資料

・音響学研究所 http://www.ioa.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編