はじめに

 南海海洋研究所 (South China Sea Institute of Oceanology)は、1959年に広東省広州市に設置された、中国科学院傘下の海洋総合研究機関である。

 熱帯海洋環境力学と生態学的プロセス、近海での地質進化と石油・ガス資源、熱帯海洋生物資源の持続可能な利用と生態保護、海洋環境観測技術などの研究を行っている。

1. 名称

○中国語表記:南海海洋研究所  略称 南海海洋所
○日本語表記:南海海洋研究所
○英語表記:South China Sea Institute of Oceanology  略称 SCSIO

2. 所在地

 南海海洋研究所の所在地は、広東省広州市海珠区新港西路164号である。

3. 沿革

 南海海洋研究所 は、1959年に広東省広州市に設置された、中国科学院傘下の海洋総合研究機関である。

4. 組織の概要

(1)研究分野

 南海海洋研究所は、熱帯海洋環境力学と生態学的プロセス、近海での地質進化と石油・ガス資源、熱帯海洋生物資源の持続可能な利用と生態保護、海洋環境観測技術などの研究を行っている。 

(2)主な研究組織

 南海海洋研究所の主な研究組織は以下のとおりである。

・熱帯海洋環境国家重点実験室(热带海洋环境国家重点实验室)
・中国科学院縁海・海洋地質重点実験室(中国科学院边缘海与大洋地质重点实验室、広州地球化学研究所と共同設置)
・中国科学院熱帯海洋生物資源・生態重点実験室(中国科学院热带海洋生物资源与生态重点实验室)
・中国科学院海洋微生物学研究センター(中国科学院海洋微生物研究中心)

5. 研究所の規模

(1)職員数

 2021年現在の職員総数は686名で、中国科学院の中で30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)予算

 2021年予算額は8億1,797万元で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)研究生

 2021年現在の在所研究生総数は435名で、中国科学院の中では30位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

6. 研究開発力

(1)国家級実験室など

 南海海洋研究所は、1つの国家重点実験室を有している(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

熱帯海洋環境国家重点実験室(热带海洋环境国家重点实验室):2014年に設置された。南シナ海の循環と中小規模の力学プロセス、熱帯海洋大気プロセスと気候の影響、熱帯海洋力学プロセスの環境影響などの研究を行っている。

(2)大型研究開発施設

 中国科学院は、同院や他の研究機関の研究者の利用に供するため大型の研究開発施設を有している(中国科学院内の設置状況詳細はこちら参照)。南海海洋研究所は、大型の研究開発施設として海洋観測船「実験1号」を所有・運用している。この実験1号は、同研究所と瀋陽自動化研究所とで製作された後、2009年から運用している。総トン数は、2,500トンである。

南海海洋研究所の実験1号の写真
海洋観測船「実験1号」 中国科学院HPより引用

(3)NSFC面上項目獲得額

 NSFC一般プログラム(面上項目、general program)の獲得資金額は、中国科学院の中では20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

7. 研究成果

(1)Nature Index

 Nature Index2022では、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(2)特許出願数

 2021年の特許出願数は99件で、中国科学院内の20位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(3)成果の移転収入

 2021年研究成果移転収入は、中国科学院内の9位までのランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

(4)両院院士数

 2025年4月時点で所属する両院の院士は1名であり、中国科学院のランキング外である(他の研究機関との比較の詳細はこちら参照)。

〇中国科学院院士(1名):张偲

参考資料

・南海海洋研究所HP https://scsio.cas.cn/
・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 中国科学院発展企画局編