はじめに

 ここでは、中国科学院の付属研究所の規模について、研究所の職員数、予算額、研究生(大学院生)数の3つでの比較を行った。

 なお、この規模の比較では合計30機関を取り上げているが、他の研究開発力や研究成果の比較では20位ないしそれ以下の機関数となっている。
 規模のランキングでの機関数を多くしたのは、単に規模が大きいだけで、研究開発能力や研究成果が優れているとは言えないと考え、規模のそれほど大きくない研究機関を重視しようとしたものである。

1. 職員数

 2023年に発行された「中国科学院統計年鑑2022」を元に、所属職員数での研究所ランキングを作成したのが下表である。これを、研究所の重要度の尺度として用いることとした。

順位研究所名職員数
1合肥物質科学研究院2,459
2宇宙情報イノベーション研究院2,080
3長春光学精密機械・物理研究所1,981
4金属研究所1,589
5大連化学物理研究所1,577
6高エネルギー物理研究所1,505
7深圳先進技術研究院1,453
8国家天文台1,411
9上海技術物理研究所1,337
10瀋陽自動化研究所1,309
11光電技術研究所1,258
12西北生態環境資源研究院1,229
13自動化研究所1,104
14上海薬物研究所1,053
15上海光学精密機械研究所1,030
16西安光学精密機械研究所985
17上海高等研究院948
18マイクロエレクトロニクス研究所929
19近代物理研究所923
20情報工学研究所877
21声学研究所862
22ソフトウェア研究所841
23寧波材料技術・工学研究所827
24福建物質構造研究所805
25長春応用化学研究所800
26上海マイクロシステム・情報技術研究所763
27国家宇宙科学センター760
28上海珪酸塩研究所759
29プロセス工学研究所731
30海洋研究所712
附属研究機関の職員数ランキング 
「中国科学院統計年鑑2022」の情報を元に林作成

2. 予算額

 2023年に発行された「中国科学院統計年鑑2022」を元に、予算額での研究所ランキングを作成したのが下表である。これを、研究所の重要度の尺度として用いることとした。予算額の単位は万元(日本円で約20万円)。

附属研究機関の予算額ランキング 
「中国科学院統計年鑑2022」の情報を元に林作成

3. 研究生数

 2023年に発行された「中国科学院統計年鑑2022」を元に、研究生(大学院生)数での研究所ランキングを作成したのが下表である。これを、研究所の重要度の尺度として用いることとした。

 中国科学院は、自ら中国科学技術大学中国科学院大学という国内一流大学を所管しており、ここでは学部学生(中国では本科生)を入学させて教育を行っている。一方、附属研究機関は学部学生を所属させられないが、博士や修士を目指す大学院生を研究生として所属させることができる。
 現在中国科学院には、約5万人の研究生が各付属機関に所属し、彼らを指導する「博士生導師、英語ではprofessor」と呼ばれる研究者が約7千名いる。

順位研究所名研究生数
1合肥物質科学研究院2,359
2情報工学研究所1,816
3宇宙情報イノベーション研究院1,603
4計算技術研究所1,403
5長春光学精密機械・物理研究所1,176
6化学研究所1,125
7長春応用化学研究所1,114
8物理研究所1,084
9大連化学物理研究所1,078
10金属研究所1,063
11地理科学・資源研究所982
12マイクロエレクトロニクス研究所977
13生態環境研究センター875
14自動化研究所849
15植物研究所805
16動物研究所799
17深圳先進技術研究院794
18数学・システム科学研究院778
19半導体研究所765
20生物物理研究所742
21上海有機化学研究所713
22高エネルギー物理研究所702
23理化技術研究所686
24上海薬物研究所680
25遺伝・発生生物学研究所678
26地質・地球物理研究所644
27分子細胞科学卓越イノベーションセンター644
28分子植物科学卓越イノベーションセンター635
29西北生態環境資源研究院633
30海洋研究所617
附属研究機関の研究生(大学院生)数ランキング 
「中国科学院統計年鑑2022」の情報を元に林作成

 参考資料

・中国科学院HP https://www.cas.cn/
・中国科学院統計年鑑2022 人民出版社 2023年2月